今日は行こう、明日こそ行こう・・と思いつつも、どうしても
直前になると家に帰りたくなってしまい、観たいと思っていた
映画が溜まるわ、それらの公開が終わっていくわ・・で。
今日行かないと、もうスケジュール的に絶対に観られないぞ!
という所まで追い込まれて、やっと観に行ってきました。

プライベート・ウォー「プライベート・ウォー」
監督:マシュー・ハイネマン
出演:ロザムンド・パイク、ジェイミー・ドーナン、トム・ホランダー
【あらすじ】
イギリスのサンデー・タイムズ紙の戦争特派員として活躍するアメリカ人ジャーナリスト、メリー・コルビンは、2001年のスリランカ内戦取材中に銃撃戦に巻き込まれて、左目を失明してしまう。黒い眼帯を着用し、PTSDに苦しみながらも、人びとの関心を世界の紛争地域に向けたいという彼女の思いは強まっていく。2012年、シリアの過酷な状況下にいる市民の現状を全世界に伝えるため、砲弾の音が鳴り響く中での過酷なライブ中継がスタートする。≪アメリカ・イギリス合作≫



これは「ピーター・ルー」を観た時に予告で知って、それから
「観たいな」と思っていた1本です。
しかしこの主演のロザムンド・パイクって「ゴーン・ガール」の
女優さんなんですね!うわー、全然イメージが違うんですけど。





いい意味で想像通りの作品かな。
ぶっちゃけ平日の仕事帰りのレイトショーで観るには重すぎる
とも言える(自業自得)なんですけど、手加減のない映画、という
言い方も出来るかな・・と。

毎年「世界報道写真展」を観に行くようにしている私ですが
そのきっかけが、時には自分の命すら危険に晒して紛争地に写真を
撮りに行き、死体や身内が亡くなって悲しみに暮れている人に
むけてシャッターを切る、報道カメラマンのメンタリティに興味が
あったから。その興味というか疑問については未だに継続しているので
この映画も観てみたいな、と思っていたのでした。

一般には、写真や動画を撮って広く見てもらう事で、紛争地の惨状を
伝えることが出来る、自分の作品を通して世の中を変えられるかも
しれない・・というのが分かりやすい動機かな、と思うしこの
作品の主人公のメリーも、紛争地の中で一番犠牲になってガマンを
強いられるのはいつも弱者である一般市民である事、その個人に
焦点を当てたい・・と思っている事は間違いない。

そして、これは推測だけど、命の危険をかいくぐって取材をする
というスリルや達成感にアドレナリンが出ちゃってるような状態に
なっているんじゃないかな、とも思うし。

でもね、この映画のタイトルは「プライベート・ウォー」(原題も同じ)。
そこが少し引っかかっります。

メリーは報道の事ばかり考えている訳ではなくて、子供が欲しかったのに
2度も流産してもう母親にはなれないかもしれない・・とか、恐らく
専業主婦であろう母親との確執だったり、乗り越えなければいけない
問題が幾つもあるんですよね。
普通に「戦争は嫌い」「紛争地には行きたくない」「若くして死にたくない」
という恐れも持っているし、PTSDに悩まされたりもする。
でもそういう個人的な弱さを忘れるために、危ない紛争地に飛び込んで
自分の存在価値を確認しているようにも思えました。

政府に不都合な報道をした事で、恐らく政府軍から狙われてしまい
命を落としてしまったメリー。
でも、自分から危険に飛び込んでいくことを、恐らく彼女は自力で
止めることは出来なかっただろうから、これでやっと休めるね・・
なんて思ってしまいました。

うーん・・・。
やっぱり分からないや、こういう人達。こんな人が身内にいたら
たまったもんじゃないな・・と思う、正直なところ。
でも、こういう人達が居るからこそ私も紛争地の事を多少なりとも
知る事が出来ているのは事実だから、やっぱり必要なんだろうな・・。
いやいや、違う。こういう紛争地が無くなればいいんだよね。
等と、いろいろ考えながら雨の中、帰ってきたのでした。