仕事を少し早く切り上げて映画館へ。これでやっと
「公開が終わっちゃう!」と焦る日々からお別れできそう・・。

ホテル・ムンバイ「ホテル・ムンバイ」
監督:アンソニー・マラス
出演:デブ・パテル、アーミー・ハマー、ナザニン・ボニアディ
【あらすじ】
2008年11月、インドを代表する五つ星ホテルが500人以上の宿泊客と従業員を人質にテロリストによって占拠された。宿泊客を逃がすために、プロとしての誇りをかけてホテルに残ったホテルマンたち。部屋に取り残された赤ちゃんを救出するため、決死の覚悟で銃弾の中へと向かう父と母。テロリストたちに支配される極限の状況下で、特殊部隊の到着まで数日という過酷な現実を前に、人々の誇りと愛に満ちあふれた脱出劇が描かれる。≪オーストラリア・アメリカ・インド合作≫


それにしても、ここ最近凄い勢いで映画を観ていますが、
テロだのハイジャックだの、内戦だのばっかりですね(笑)。
私が実話ベースの映画が好きなので偏るのは仕方ないですが
そういう映画の公開も重なってるとは思うんですよね。
 



疲れた・・・。緊迫したシーンが続くもんだから、観ていて
私も体に力が入っちゃって、観終わってから頭が痛くなった(笑)。

すっかり忘れていましたが、このテロで確か日本人の観光客が
犠牲になったのではなかったかと思います。その時は「ふーん」
と言う程度の印象だったのですが、こんなに凄惨な事件だったんですね。

私は戦争映画や大手のアクション映画が苦手なのですが
それは、人が虫けらみたいにジャンジャン殺されるシーンが
盛り込まれがちだから。
そういうシーンを見ていると「私がここにいたら」と思っちゃうし
もしそうだったら、必死に逃げる事を諦めて死ぬ事を受け入れそうで
グッタリしてしまうんです。

まさか今回もこんな展開だったとは(笑)。

テロの話なのである程度は想像していましたけど、ここまで簡単に
人が至近距離で撃たれて死んでいく、何なら死体に向けてもまだ
執拗に弾を撃ち込んでいくって、こちらの生気まで吸い取られそう。

ただ、この行為の根底にある「怒り」だったり「宗教」という所に
想いを馳せると、複雑な気持ちになります。
人間はあんなに簡単に、躊躇なく撃ち殺せるというのに、女性の
死体の胸元をさぐる(下着に身元が分かるものが入っていないか
確認するため)事が「出来ない」という。
コーランを唱えている女性には、どうしても銃を発砲できない。
豚肉が入っていると言われて、食べているものを吐きだし、口を漱ぐ。
彼らの神・アラーに対する帰依の気持ちがどれだけ強いのか
という事を見せつけられた気がします。
そういう気持ちは、正しい方向に向けられると、とてつもないパワーに
なるけど、悪用すると、本当に厄介な力なんだな・・と。
今回の実行犯が若者ばかりだった、というのも、首謀者にうまく
操られた感がありますしね。

結局犠牲者の半数はホテルマン達だったとか。
あの料理長が凛々しくて素敵でしたね。自分の部下がホテルから
逃げ帰る時に「恥ずかしいことではない」と見送って、冷静に対処して。
ロシア人のお客さんも冷静で凄いな・・と思ったら、軍だか警察だかの
関係者だったんですね、なるほど。

本当に、身を挺して客を守ろうとしたスタッフの方が沢山
いらっしゃったんでしょうね。だからこそ、再建時に当時のお客が
集まってくれたんでしょう。

ホテルマン達は、よくやったと思いますけど、警察はもうちょっと
しっかりしようか・・とは思う(笑)。
ただ、オリンピックを控えた平和ボケの日本では、ヒトゴトとして
観てはいけない作品だな、とも思いました。