名古屋でのNTLiveのオリジナル上映館は名古屋市内にあっても
交通が不便なので、どうも足が向かなくて諦めていたのですが
アンコール上映が名演小劇場であると知って、アガりました。

リチャード二世NTLive「リチャード二世」
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:ジョー・ヒル=ギビンズ
出演:サイモン・ラッセル・ビール、レオ・ビル ほか

 






とはいえ、上映期間が短いうえに、その上映期間の土日は東京遠征で
観に行く事が出来ないため、ほぼ絶望的。(1日1回の上映のため)
だったらもう、仕事を休むしかないじゃないか!と(笑)。
12月中にどこかで1日ぐらい有給休暇を取ろうかな・・と思って
いたので、ちょうどいいや!ということで。

NTLiveも会員だと500円引きになるのが有難い。
これから何本観られるか分からないけど、これだけで会費の大部分が
回収できるんじゃないだろうか(笑)。




最初のインタビューで「皆さんが思うような作品ではないと思う」と
言うコメントがあったのですが、いわゆる古典のシェイクスピア劇の
イメージとは違う、という事なんでしょうね。

「リチャード二世」は蜷川さんの舞台で1度拝見した事があるだけで
あとは「ホロウ・クラウン」で観たぐらい。
この作品そのものに対する印象は、この2作品が全てだったので
確かにかなり印象が違う作品だな、と思いました。

何と言っても、リチャード二世の描き方が全く今までの作品と違う。
私は、ひ弱で、ナヨっとしていて、国を統治するという事に
興味を持っていないような草食男子・・というイメージだったので
いい年齢で、恰幅がいいリチャード二世・・というのが、斬新。
なので、同じ「愚かな王」であっても、かなり意味合いが違って
映りますね。

でも閉塞感はかなりのもの。
セットはスチールで区切られた小部屋のようなもので、大道具なし。
役者さんも基本的に全員この中に閉じ込められたような状態になっていて
「逃げられない」感が視覚からも十分に伝わってきます。
同じ役者さんが何役も演じ、バケツに入った血のりをぶちまけたり
土をぶちまけたりしながら、全員が入り乱れてぐちゃぐちゃになる
というところでも、「混沌」が描かれていました。

あとはボリンブルックって、こんなに情けないと言うか、ここぞと
いう時にオロオロする人だったっけ?とも思い、何だか全員が
情けない・・という作品でした(笑)。
まあ、権力争いそのものが閉塞感があって、情けなくて・・と
言う事なのかな、とも思いましたけど。

ただ、どうしても役者さんの事を詳しく知っている訳ではなく
また登場人物も同じ役者さんが何役もされるので、「ん?」と
戸惑ってしまう事もあったのは、私の知識の無さで仕方のないこと
なんだけど、ちょっとハードルが高く感じたかな。
来年の「ヘンリー二世」の上演の予習に・・と思って観に来たけど
「ホロウ・クラウン」で復習するかな・・(爆)。

これから年末年始に向かって、残り何本観られるか分からないけど
出来ればシェイクスピア作品だけでも、全部観たいと思ってます。