朝イチでジムで筋トレしてからホットヨガ。
その後でセンチュリーシネマに向かいました。
笑っちゃうほど年末感無いわー。いつもの日曜日です(笑)。

シュヴァルの理想宮「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」
監督:ニルス・タベルニエ
出演:ジャック・ガンブラン、レティシア・カスタ、フローレンス・トマシン
【あらすじ】
フランス南東部の自然豊かな田舎町。寡黙で空想好きの郵便配達員シュバルは、変わった形の石につまずいたことをきっかけに、愛娘アリスのために「おとぎの国の宮殿」を建てることを思いつく。さまざまな苦境に直面し、周囲の人々にバカにされながらも、来る日も来る日もたった1人で石を運んでは積み上げ続けるシュバル。そんな彼に、過酷な運命が容赦なく襲いかかる。



この作品の事は全く事前情報が無かったのですが(最近映画観てないし)
ジムの後で行くには一番開映の時間がタイミング良かったので。
何となく、映画が尻すぼみになっていたので、最後に何かを
観ておこう、と思ったんですよね。





実話がベースだという事も全く知らなかったのですが、泣きました。

シュヴァルという人は、想像を絶するほどにコミュ障なんですよね。
それが観ていてもどかしくて、もどかしくて。
恐らく「自分の子供が嫌いではないんだろうな」とは思うけど、
あそこまで感情表現が下手だと、観ていて心配になってしまう(笑)。
でも、アリスは父親が大好きそうだったし、自分から話しかけられない
父親と違って、何の違和感もなく接してくれて、可愛かったんだろうなぁ。
だから、そんな人だから自分の娘が亡くなった時の感情の爆発のさせ方
が激しくて、痛々しい。

決して好んで追い出したわけでもない息子が、自分に恨み言を言ったりせず
自分の家の近くに住んでくれて、やっと親子のコミュニケーションが
少しずつ取れるようになった矢先に、亡くなった時に動けなくなっていて
気の毒で、気の毒で・・・。
恐らく、父親としてシリルの事をずっと気にかけていたんだよ、という
ような事を伝えたいと思いつつ、伝えられないうちに、亡くなってしまった
という後悔も激しいんだろうな。

だからこそ、奥さんが亡くなる時には「お前が居なかったら無理だった」
と素直に、感謝の気持ちを伝えられたのは良かった、と思うし、
シュヴァルの「同じ過ちは繰り返さない」という決意を感じましたね。
でも実際、アリス、シリル、街の人達、全ての間に入って潤滑油のように
なってくれたのは、この奥さんですものね。

シュヴァルのコミュニケーションは苦手だけど、何かを成し遂げるための
意思の強さは驚くほどです。
建築の知識もなければ、殆どが手作業で、自分の仕事の後に10時間。
そもそも仕事も毎日30キロも徒歩で歩くような肉体労働だと言うのに。
最初は娘に対する純粋な愛情から。
そして、亡くなってしまった後は、宮殿を作る事で哀しみを昇華させて
いるかのようで、鬼気迫るものすら感じました。

ラストシーンでは、宮殿の美しさと、シュヴァルの「成し遂げた」表情、
息子の父親への想いなどで泣かされてしまいました。
序盤はあまりのめり込めなかったけど、途中から没頭。
地味だけど、素敵な映画だったなと思います。