そのままセンチュリーシネマに居残り、2本目です。

テッド・バンディ「テッド・バンディ」
監督:ジョー・バーリンジャー
出演:ザック・エフロン、リリー・コリンズ
【あらすじ】
1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。



これまた、全く内容が分からない状態での鑑賞です。
時間が丁度良かったものですから(爆)。





これ、出来ればフライヤーを見ないで観たかったかも。
「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」
ってコピーを見たら、テッドが犯人だって事が予め分かっちゃう。

・・・と、観終わった直後は思ったのですが、このテッド・バンディとは
アメリカでは恐らくすごく有名な殺人犯なんですよね?
だから、原題も「Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile」って
なってるんだろうな、と。
「この人が本当に犯人なんだろうか」と推理しながら観る映画ではなくて
あんなに猟奇的な殺人をする犯人は、こんなに狡猾だったんだ、
という事を描く作品だったのか、と思い至りました。

シアトルは私が数か月生活した土地ですが、とても治安がいい都市で
(もちろん、ダウンタウンの中には近寄るべきではないエリアもあります)
とても凶悪犯罪があるイメージが無かったのですが、言われてみたら
「昔、ワシントン州で女の人が何人も殺された事件があった」という
話を聞かされたことがあったような気がします。この事だったのかな。

テッドは自己評価が異様に高くて、精神状態が異常なんですよね。
「シリアルキラー」という言葉が出来たのは、この人がキッカケとか。
私達から見たら、異常な行動でも、彼自身は自分の欲求に沿った行動で
道理が通っているからか、自信があり、セルフプロデュース力もある。

ちょうど裁判がメディアで公開された最初の裁判だとかで、
彼のビジュアルの良さや、応対のスマートさからファンになる女の子が
傍聴に詰めかける・・という状態になった事も描かれていて、現在の
問題に通じる所を感じたりもします。

でもリズは何故殺されなかったのかな。
序盤で有罪判決が出された直後「私のせいで、ごめんなさい」って
テッドに謝っていて「なぜ謝る?」と思っていた謎は、最後に回収
されました。そういう事か。
実際にはリズ以外にも身近な人で通報した人は何人も居たようだったから
その事が分かっていたら、リズも苦しまなくて済んだのにね。

決して、勧善懲悪という雰囲気ではない作品でしたが、観応えもあって
ガサガサとうるさく何かを食べていた人が2人程いたのですけど、
途中から静かになりましたよ(笑)。
今日が今年の映画納めだったので、出来れば1本目と2本目の順番が
逆だと後味も良かったんですけど(笑)、悪くない映画納めだったと思います。