この日2本目。この作品も逃げられないように(観ずに帰らないように)
予めムビチケ買って、指定も受けておきました(笑)。

goodlier「グッドライアー/偽りのゲーム」
監督:ビル・コンドン
出演:ヘレン・ミレン、イアンマッケランラッセルトベイジムカーター
【あらすじ】
インターネットの出会い系サイトを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。実はベテラン詐欺師のロイは、夫を亡くしてまもない資産家ベティから全財産をだまし取ろうと策略をめぐらせていた。世間知らずのベティは徐々にロイのことを信頼するようになるのだが、単純な詐欺のはずだった計画は徐々に思いがけない方向へと進んでいき……。≪アメリカ製作≫

 
もうこれは、ヘレン・ミレンを観たいがためだけの1本。
「クイーン」を観て以来好きなんですよ、彼女の凛とした佇まいが。
「老いたる詐欺師」という小説が原作になっているようです。





ヘレン・ミレンすごい。彼女が観られただけでも満足(笑)。
今、巷で流行っている「匂わせ」が効いた1本でした。

詐欺師のロイのクズっぷりと、色男っぷりは序盤から全開で
面白いようにヘレン・ミレン演じるベティが虜になっていくんだけど
心のどこかで「いやいや、そんなに簡単に騙されるなんて面白くないし
きっとどんでん返しがあるんだろう」と思ってしまう自分が悲しい
のですけど(笑)、ヘレン・ミレン演じるベティが、序盤ではただの
世間知らずの資産家のお婆ちゃんにしか見えなかったのに、
徐々に「あれっ、今の表情?!」と思うシーンが出てくるんですよ。

そして、キーパッドを忘れて取りに戻ってきたシーンで
今までロイがストーリーを引っ張って来ていたはずなのに、
完全にベティにハメられている事が分かる、んですよね。
やっぱり、あの表情は意味があったんだ!!と、腑に落ちる私。

でも、驚いたのは何故ベティがロイを嵌めたのかという話。
そこまで悲しい出来事があって、ベティが今度の行動を起こしたのか
という驚きと、想像を絶するロイのクズっぷり。
というか、生粋のクズだったんだな、この男・・という、ね。
まあ見事な勧善懲悪、仇討物語だった訳ですね。
しかも、ロイがベティの事を本心で「気の毒だな」と心を寄せた
タイミングを見計らって・・というのが、見事です。

ストーリーも面白かったですけど、やっぱり主演の二人がいい。
世間知らずな老女も、恐らく想像を絶する哀しみを経験した
だろうに、淡々とそれを語り、復讐を果たすクールな女も、
過去を思い出して悲しみを感じつつ、前を向こうとする女も
1本で色々と観られて、ヘレン・ミレンの魅力が一杯。
イアン・マッケランのクズっぷりも、障害を負った後であっても
悔しさを見せる姿も良かったですしね。
この二人だからこそ、の作品だったように思います。

ちなみに1ポンド141円で計算すると、ベティがロイに残した
資産は14,100,000円。私ならこの1/10ぐらいにすると思うわ(笑)。
まあ、その残金も第三者から奪われるように仕向けてるから、
やっぱりベティは私よりも数倍怖い女なのかもしれん(笑)。