仕事が忙しくて残業も多いから、何だか金曜日にはグッタリ。
でも今の世の中の雰囲気ではジムに行くのも何だか躊躇われ、
結局映画を観に行く事にしました。
まあ・・今は何だかエンタメも行くのが憚られますけども。

ラスト・ディール「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
監督:クラウス・ハロ
出演:ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルス、ステファン・サウク ほか
【あらすじ】
年老いた美術商のオラヴィは、なによりも仕事を優先してきたが、長年音信不通だった娘に頼まれ問題児の孫息子・オット―を職業体験のため数日預かることに。その矢先、オークションハウスである一枚の肖像画に目を奪われる。価値ある作品だと確信したが、絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品されるという。「あと一度だけでいい、幻の名画にかかわりたい」と願うオラヴィはその画風から、近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴む。オークションへ向け資金繰りに奔走するオラヴィ。そんな折、娘親子が自分の知らないところで大きな苦労をしていたことを知るが…。生涯を美術品に捧げた男がたどり着いた、真に値打ちある人生とは―≪フィンランド制作≫




自粛ムードもあってか、劇場には私ともう一人の女性だけ。
同じ方向を向いているし、劇場は結構広いし、これって
電車に乗ってるよりも、遥かに感染の確率が低いんですけど(笑)。

そうよねー、エンタメを自粛というよりは、人が集まる所へ
行く事を自粛する事だもんね、本来の目的は。





予告を観て、興味を持った作品だったのだけど、美術好きの人は
より楽しめただろうな、と思います。

まあ・・この主人公のオラヴィのクズっぷりに、途中で少し呆れたね。
資金が足りずシングルマザーの娘に借りに行くんだけど(そのこと自体も
どうかと思うけど)、「私たちも生活が苦しいから」と断られたのに
「で、幾らなら貸してくれるんだ?」って・・親として、人として
どんだけクズなんだ・・って(笑)。

ただ、それだけクズにさせてしまうのはシンプルに絵の持つ魅力なのか?
「幻の名画にかかわりたい」というのは、自分の審美眼で埋没した
名画を探したいという事なのか、名画を売って一攫千金を目指している
という事なのか・・・。私にはよく分かりませんでした。

途中は「絵が素晴らしい」という基本を忘れてるよね、という
状態だったのに、最後はまた絵を自宅に飾っていて、美術商を
引退して純粋に絵と付き合えるようになったのかな、それで
心の平穏がやって来たのかな、なんて思ったりもしました。
だからこそ、娘に対して素直な気持ちを手紙で残せたのだろうし。

レーピンと言う画家の絵がどれほどの価値なのかがピンと来ない
のですが、120,000ユーロかあ・・。そこまで言うなら、もっと凄い
金額かと思ったけど、そこまでじゃなかった(笑)。