相変わらずのペースで本を読んでおりますが、最近ちょっと
本のチョイスがまんねりしてきたなぁ・・と思っていたところ
仕事でお付き合いのある方から、おススメ頂いた本、読んでみました。

隠し絵の牙「騙し絵の牙」
著:塩田武士
【あらすじ】
出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。ある夜、上司から廃刊の可能性を匂わされたことを機に組織に翻弄されていく。社内抗争、大物作家の大型連載、企業タイアップ…。飄々とした「笑顔」の裏で、次第に「別の顔」が浮かび上がり―。




全く知らない本だったのですが「大泉洋にアテ書きした本」と聞き
興味を持ったんですよね。
お芝居などの「アテ書き」は知っていますが、小説のアテ書きって
どういうもん?と思って。




うん、間違いない。大泉洋のアテ書きだ(笑)。
(ちなみに大泉洋主演で映画化とか。)

私がイメージする「人たらし」なイメージはそのままで、
読んでいても頭の中で大泉洋が話している様子が目に浮かぶんですよ。
スピーチで笑わせている所や、モノマネしている様子なんてもう
塩田さん、「見て書いたでしょ」と思う程。
そしてそれと同時に速水の中にある陰というか影の部分とか
私が大泉洋に感じるところでもあるんだよね。

単に大泉洋のアテ書きと言うところだけでなく、現在の出版業界の
問題なども書き込まれていて、非常に読み応えあり。
私も最近は10冊/月ペースで読んでいるものの、古本を買う事も多く
また、雑誌は全く読まないので、読み進めながらも心苦しくて(笑)。
ほんと、シャレにならない状態ですよね。
もっとちゃんと本にお金を使わないとダメだな、と反省です。

「薫風社」が「KADOKAWA」で、「トリニティ」が「ダ・ヴィンチ」を
連想しちゃいますね。実際はどうか知りませんが。
映画の予告ではもっと「騙す」「裏切られる」みたいな煽りのキャッチが
使われているけど、ちょっとイメージが違うんだよなぁ。
速水は小説というものに対しては真摯に向き合っていると思うし、
編集という仕事に対する愛着も作家へのリスペクトも伝わってくるし。
「策略」と言うより、仕事の根回しと問題解決能力が高い、
ビジネススキルが高い人、っていうだけだと思うしな。

面白かったです。
自分一人ではなかなか出会えなかった作品。
塩田さんの作品は、もっと読んでみたいと思います。