12時30分に代々木でのカリグラフィー教室が終わり、大急ぎで
シアターコクーンへ!!

薮原検校「薮原検校」シアターコクーン 2列目上手
13時開演、16時15分終演
作:井上ひさし  演出:蜷川幸雄
音楽:宇崎竜童   ギター演奏:赤崎郁洋
出演:古田新太、田中裕子、段田安則、六平直政、梅沢昌代、山本龍二、神保共子、松田洋治、景山仁美、壤 晴彦

【あらすじ】
今から二百年ほど遡る江戸中期、塩釜の地。小悪党の魚売り七兵衛(段田)は、醜女だが無類に気立てのよいお志保(梅沢)を嫁にもらい一旦は改心するが、お産の金欲しさに行きずりの座頭を殺して金を奪う。が、生まれてきた男の子は盲だった。めぐる因果の恐ろしさに、七兵衛は自害。生まれた子は、塩釜座頭・琴の市(山本)に預けられ杉の市(古田)という名前をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、師匠の女房のお市(田中)にまで手をつける始末。ある日、難癖をつけて金を巻き上げようとする佐久間検校と言い争ううち、検校の結解(けっけ=目明きの秘書のこと)を刺してしまう。別れを告げに寄った母の家で、誤って母を刺し、駆け落ちしようとお市と共謀して師匠を殺すが、お市は瀕死の琴の市の返り討ちにあう。一人になった杉の市は師匠から盗んだ金を携えて江戸に向かい、門下生になるために学者・塙保己市(段田)の元を訪れる。晴眼者以上に品性を磨くことを目指す塙保己市が、万事が金と考える杉の市を弟子にするわけもない。その後、藪原検校に弟子入りし、貸し金の取立てで見る間に頭角をあらわす杉の市。そして二度目の主殺しをし、念願だった二代目藪原検校の襲名披露の日、彼の前に立ちふさがる影が………。


初代の薮原検校は実在した人物だそうですが、この物語の
主人公・2代目薮原検校は井上ひさしの創作の人物だそうです。



今回は2列目上手。盲太夫(壤 晴彦)さんが結構目の前。
開演になると会場は真っ暗、耳に辛い「キーン」と言う音の後
三味線か?と思う音楽で開幕・・(この音楽はギターでした)
舞台上には床から20センチぐらいの高さに白いロープが
張り巡らされている。
このロープが、時には山を越えるときの障害物にも、橋にもなり
また時には、盲人が歩く時の不便さを表わすものにもなる。
このロープの演出は、蜷川さんオリジナルかと思ったら、
井上ひさしの指定なんだとか。

とにかく圧倒されるのは、盲太夫(壤晴彦)のセリフ量の多さ!
彼が語り部となってストーリーを進行するだけでなく、
いろいろな解説もしてくれるという、重要な役どころ。
セリフ量の多さもあって、仕方ないんだと思うけど、
たまにね、セリフが出てこなくなっちゃってるのよね(笑)。
観ているこちらがハラハラしてしまいました。
あと、少し体調が宜しくないようで、手ぬぐいで押さえながら
ひそかに咳き込んでらっしゃいましたね。
この盲太夫は現代からの視点で物語を語ります。
(だから“今だったら〜と言います”といった説明もあり)

そして、古田新太(杉の市・酉の市)の早物語もすごい!
結局10分程度、語りっぱなし!古田さん汗だく・・。
パロディだけあって、意外と楽しくて周りも結構笑っていました。
あと、エロさは、さすが古田さんですな(笑)。
杉の市(酉の市)は子供の頃からのにワルなんだけど、
最初にお市を殺してしまった後、母親に泣きつきに行く所なんかは、
本当に子供っていう感じよね。こんな所は人間臭いです。
でも後半の極悪人ぶりも、さすが古田さん!です。
しかし・・・。いっつも白目むいてたら、目が疲れないかなあ。

田中裕子
(お市)は、最初は声が小さくって、何を言っているか
聞き取りにくい程。(2列目だったのに!)
途中からは気にならなくなってきたのですが、ちょっと残念。
エロいおかみさんっていうのは合ってましたが、こういう役は
写楽考のときのキムラ緑子さんの方が合ってる感じでしたね。
最後、杉の市に迫る時もっと執念深さがあると良かったかなあ。

段田さん
。杉の市の父親役から、塙保己市役から、何役も
こなしていましたが、いずれの役も「さすが」です。
七兵衛の時は本当に小心者の小悪人っぽく、保己市の時は
清廉潔白な、学者の雰囲気をかもし出す。
杉の市と保己市の二人の対決(対面)は、派手さはないものの、
その後の展開の二人の関係性において、重要なシーン。
幕府の政策のために、杉の市の処刑を提案する時の段田さんは
見応えあります。これって、結局はスケープゴートって事なんだけど
“花道を作ってやる”というのも事実なんだよね。
自分とは全く違うタイプの酉の市なんだけど、盲人が生きていく、
“晴眼者”と伍して生きていくには、同じ事をしていてはいけない
と言うことを認めている点においては、“同志”なんだなと。
ただ、杉の市に対する嫉妬もあったのではないのか?・・・とも思う。

とにかく観終わって思ったのは「天保十二年のシェイクスピア」
にそっくり!と言う事。(もちろん、演出が。)
作・演出・音楽ともに同じ人だから当たり前なのかもしれないけど
全員で歌を歌ったり、電光掲示板に歌詞が表示されたり・・・とか。
(そういう意味では前方席は観づらかった)
ギャグもけっこうあって笑えるシーンも多かったけど、階級社会や、
人の欲望だったり、人の残忍さだったりを表わす芝居でもあったかな。
そして、ラストが単純なハッピーエンドではなく、少し心が
引っかかるような所(薮原検校があんな残酷な方法で処刑された
様子を見て喜び・騒ぐ人々・・とか)
があるのも井上ひさしの作品
独特かな・・とも思いました。

途中で、頭を叩かれるシーンで、アドリブだったのか
余計に叩かれたらしく、「それは余分じゃないか?」と思わず
古田さんが言うシーンがありました♪

そして会場で貰ったフライヤー。「ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出」
座長・古田新太だって!(これだけしか分からないけど・・)楽しみだ!