興味はあったものの、観ていなかったのですよ、コレ。

THE BEE「THE BEE」日本版
原作:筒井康隆  作・演出野田秀樹
出演:秋山菜津子、近藤良平、浅野和之、野田秀樹

【あらすじ】
70年代の東京。平凡なサラリーマン・井戸(野田秀樹)は息子の誕生プレゼントを手に家へ。自宅付近で急にマイクをもったリポーターに囲まれる。「井戸さんですか?今のお気持ちは?」なんと脱獄犯が自分の妻と子供を人質に立てこもっているというのだ。マスコミからは苦悩する犠牲者の顔を求められ、警察は高圧的で無能・・・。ある瞬間から彼は被害者から加害者へと姿を変える!報復の連鎖の行き着く果てにあるものは・・・・。


生で観たいな、とは思ったものの、スケジュールが合わなくて
断念していたんですよね。

想像したとおりです、重い・・・。
見終わっても、重い石を飲み込んだような違和感が残ります。
1時間強の作品だけど、この長さが限界だよねー、生で観たら。

観た人からも「紙を使った演出がすごいよ」と聞いていましたが
こういう演出って舞台ならでは!目からウロコが落ちるようでした。
指をイメージした割り箸を切り落とすのを見ていると、
血が噴出したり、作り物の指を見せるよりも、むしろ不気味。

紙や割り箸でデフォルメする事によって、よりリアルに感じられる
ってすごい。そしてそれを計算づくでやってる野田さんも恐い(笑)。
何もない真っ白の紙が、いろいろなものに形を変え、
たった4人のキャストが20人ぐらいに見えてしまうっていうのは
“出来合いのもの”を見せてもらうのではなく、
自分の頭・想像力で完成させているという楽しみが味わえたよう。

しかしあの紙。
公演ごとに新しいものを準備するのだろうけど、明らかに規格外
のサイズ。ある程度の強度・ハリが必要だし、何枚か張り合わせて
作ってあるんだろうが・・・。高そうだなぁ・・・(笑)。
↑カリグラフィーやっているので、紙が気になる私(爆)。

そしてやっぱり菜津子さんはスゴイです。
ご自分でも「不幸な女ばかり」とおっしゃってましたが(笑)、
単純に不幸なだけの女なんて、誰も見たくないですから。
最初は抵抗し、嘆き、諦め、最後には惰性に流されていくっていう
人の心理を体現されていますよね。

もちろん、野田さんも近藤さんも浅野さんもスゴイです。
WOWOWでは続いてロンドンバージョンも放映していましたが
さすがに続けては観られなかった(笑)。
ロンドンバージョンでは俳優としての野田さんがすごかった
ようですが、またそれは別の機会に(笑)。