午前中はホットヨガ。ゆっくりランチを取って、それから名鉄ホールへ。
遠征するのは考えちゃう作品だけど、名古屋公演があって良かった〜。

教授「教授」名鉄ホール1列目
15:00開演、16:50終演
構成・演出:鈴木勝秀
音楽監督・弾き語り:中村 中
Based on:五木寛之作「わが人生の歌がたり」より
出演:椎名桔平、田中麗奈、高橋一生、岡田浩暉、坂田聡、伊達暁、佐々木喜英、上條恒彦、中村 中

【あらすじ】
安保闘争・労働争議などが湧き起こる、高度経済成長期の、60年代日本。これは、そんな時代の趨勢とは無関係に生きていた、「寄生虫」を研究する、ある変わり者の教授と、教授を見つめ続けた助手、また、それを取り巻く、“時代”を生きる人々の物語である。社会とは無関係に生きているかに見えた“教授”だが、彼が唯一、社会との接点を持ったのは、「流行歌」を愛したことであった―。



東京ではコクーンでの公演。
椎名桔平さん以外は舞台で拝見した事のある方ばかり。
(あ、佐々木さんは舞台映像でした)
そういう俳優さん側に魅力があったのと、“昭和の流行歌”を
中村中さんが歌う・・っていうのに興味があって、観に来ました。
ぶっちゃけ地味な舞台かな?って思っていましたが、想像していた
よりもお客さんが入っていましたね。
主演のお二人が名前がよく知られた人だから・・かもしれませんね。
そう言えば、鈴木勝秀さんの舞台って、久しぶりな気がする・・・



舞台上にある棚には、ガラス瓶に入った標本のようなものが置かれ
そこで椎名桔平さんがビーカーに入れた“何か”を飲み干すシーンで開幕。

舞台は60年代、学生運動が下火になり始めた頃。
安保闘争の集会で機動隊に追われた学生のルミ(田中麗奈)と
ケンイチ(高橋一生)が逃げ込んだのが、寄生虫を研究している
免疫学教授キタジマ(椎名桔平)。

キタジマに惹かれて、ルミは転部してキタジマの研究室に入る。
女性にありがちな強い意志と猪突猛進さ、学生運動に傾倒した事が
理解できる理屈っぽさもありながら、ひたすらキタジマに尽くす。
ある意味、ぶれない女性。
舞台で田中さんを拝見するのは2度目。細っそー。顔ちっちゃー。
別に悪くもなければ、彼女でなければならないって事も無いですが
かわいいからいいです(笑)。←オッサンかよ!

高橋一生クンは本当にこういう、弱さや影をもつナイーブな男性を
やらせたら抜群です。学生運動にしても、恋愛にしても、失敗やら
自分が傷つく事を恐れ、本当の気持ちをさらけ出すことができない
“そこそこ”の逃げ場を作ってしまう人。
でも、当時も今もこういう人って多いんだとおもう。
教授陣(岡田浩暎、上條恒彦、坂田聡)達に囲まれて、思わず
笑ってしまっていた高橋君がキュートでしたよ。

“ある理由”から、誰にも頼らないし、誰からも頼られない・・という
教授のキタジマ。1人で生きるなんて出来ないんだから、罪悪感が
が形を変えた自己満足でしょう。
こんな世捨て人みたいな、消去法で生きているような男、私個人
としては何の魅力も感じないけど、傲慢な男をみて育ったルミには
新鮮だったのかもね。

今回一番驚いたのは、キタジマの息子役の佐々木喜秀クン。
音楽劇「プライド」で蘭ちゃんの役を演じていた人ですが、あの時は
優男すぎて、どうも・・・という感じだったんですよ。
それが、どうしてどうして!怒りと憎しみを持ち、母親を捨てた父に
銃を向けるというハードな役が、実に良かったです。
父親に抱きとめられ、自分も徐々に父親の背中に手を回そうする
様子に父親への思慕の思いが、でも一旦は開いた手を握りしめて
父親から体を話す様子に、彼の中にある憎しみを見た思いです。
このシーン、角度的に佐々木君の手しか見えなかったのですが、
その手だけでも伝わってくるものがありました。

でも何といっても、中村中さんの生歌!
彼女の声は昭和歌謡に合いそうだな、ぐらいには思っていましたが
以前拝見した時よりも、高音がとても綺麗に出るようになっていて
聞きほれてしまいそうでした。歌そのものは知らない曲ばかり
だったのですが(笑)、とてもよかったです。
彼女の歌が、BGMにもなり、狂言回しのような役目も果たしていました。

途中までは本当に楽しく、のめり込んで観ておりましたが、終盤に
激しく失速した感じ。「あ、恋愛ものでしたか」と終わってから思いました。
“歌謡曲”に対しての思いをあれだけ語っていたのに、中盤以降は
全く出てこなくなってしまいましたしね。
あと、上條さん、岡田さん、伊達さんなど大好きな役者さんたちの出番が
少なすぎて、ちょっと勿体なかった・・。
東京では終演後にアフタートーク的にちょっとしたイベントが毎回
あったみたいで、少しうらやましかったな。


で、カーテンコール。
思った以上に温かい拍手でいい感じだったのですが、2度目の
カーテンコールでキャストが並んだ瞬間、後方から花束を持った
女性が通路を突進してきました。
舞台上のキャストのみなさんも困惑気味。
慌てた係員が、全力で止めに来たのですが、女性も諦めず、
ちょっとしたもみあい状態に。
(私が最前列通路脇の席だったので目の前で繰り広げられました)
すると、椎名さんが係りの人に「もういいよ」っていうような合図をして
その女性から花束を受けとり、握手までしてあげていました。
嫌な思い出にならないように、という椎名さんの配慮なんだと
思いますが(女性は感動で泣いてましたからね)、こういう行為は
恥ずかしいですし、周りもドン引きになって醒めてしまいますので
止めていただきたいです。
舞台だったら、許されるとでも思ったんですかねぇ・・