今日は一日観劇三昧。そのスタートは開場したばかりの歌舞伎座です。

歌舞伎座4月
「杮葺落四月大歌舞伎」第一部
3階8列目 11:00開演
一、壽祝歌舞伎華彩(ことぶきいわうかぶきのいろどり)
  鶴寿千歳
二、お祭り(おまつり)
三、熊谷陣屋(くまがいじんや)






本来は歌舞伎を観に来る予定で組んだ遠征ではなく、無理やり
後から突っ込んだ予定(笑)。
なぜこの公演を“後から突っ込んだ”かと言うと、それはやはり
中村勘三郎さんなんですよねえ・・・。
勘三郎さんの居ない“お祭り”を観ると、その“不在”に私自身が
凹んでしまいそうな気がしたので、今回は見送るつもりで
観劇スケジュールを組んだのでした。

それでもやはりチケットの発売日が近づくと、どうしても気になる。
ならば、チケットが取れたら追悼公演を観よう、と発売直前に
思い立ちまして。(そうしたら、あっさり取れちゃった)
既に平日に上京する予定を組んじゃっていたから1泊は無理。
ならば「14時開演の池袋での舞台に行ける範囲で」となった訳です。
そんな訳なので席は、3階B席、通路側をチョイス。

そこで七緒八クンが出演する事になったというニュース!
うあー、何てラッキー!やっぱり観に来て良かった・・・♪




一、壽祝歌舞伎華彩(ことぶきいわうかぶきのいろどり)
  鶴寿千歳


      鶴  藤十郎
   春の君  染五郎
  宮中の男  権十郎、亀鶴、松也、萬太郎、廣太郎
  宮中の女  高麗蔵、梅枝、壱太郎、尾上右近、廣松、
     女御  魁 春


何せお席が遠いものですから(笑)、誰が誰だか今一つよく
分かりませんが、最初に染五郎さんを拝見した時は、少しホロっと
してしまいました。
最後にお見かけしたのが、夏に松本幸四郎さんのラ・マンチャの男の
舞台を観に来ていた時。その後あの事故があって・・・。
無事に復活された姿を観るのが今回が初めてだったんです。

良かった、本当に良かった。

鶴は千年の齢を保つという伝説に因んだ作品だそうですが
舞踊の事はよく分かりません(笑)。今回はイヤホンガイドも
借りていませんでしたし。
でも、背景の絵や全体の雰囲気から(琴の音色のせいもあるかな)
早春、まだ肌寒いぐらいの季節のイメージを受けたのと、
春に向かう喜びのようなものを感じましたね。


  十八世中村勘三郎に捧ぐ
二、お祭り(おまつり)

    鳶頭  三津五郎、橋之助、彌十郎、獅童、勘九郎、亀蔵
    芸者  福助、扇雀、七之助
   若い者  巳之助、国生、宗生、虎之介、宜生、
   手古舞  新悟、児太郎


本来ならば、勘三郎さんの復帰公演になるはずだったこの舞台。
想像通りですが、ほぼ終始メソメソしていた私です。
勘三郎さんと共演の多い方が出ていらっしゃるので、その方たちを
観るだけで、一緒に出演された舞台を思い出してしまいます。
橋之助さんとの「夏祭浪花鏡」、彌十郎さんとの「身替座禅」、
扇雀さんとの「佐倉義民伝」、亀蔵さんとの「法界坊」・・・。
でも今回、鶴松君が出ていないんですね・・。

「一八代目もさぞや喜んでいることでしょう」

の一言には、七緒八クンで湧き立っていた客席が、一気に水を
打ったようにシーンとなりました。喜んでいるかな、勘三郎さん。
悔しがってるよね、絶対。なんで自分がここに居ないんだ、って。
でも、多くのお客さんが集まってくれたことに対しては、喜んで
くれているだろうな、と思います。

今回は勘九郎丈の長男の七緒八クンもご出演です。
もう、花道を歩いてくるところから可愛くて、可愛くて、客席も一気に
「かわいい〜〜〜!」のモード。
まだ2歳でしょ、歩き方もチョコチョコとしていて、丸顔で、まるで
コロコロした子犬のような、無条件の可愛らしさです。
誰が踊っていても、七緒八クンが何かをする度に客席が反応
していたので、申し訳ないけど、踊りよりもこの子を観ている人が
本当に多いんだな、と思っちゃいます。

でも、この子本当にすごい。
うちの甥っ子が2歳の時、こんなに聞き分けよく大人しくなんて
絶対にできなかったもの。大衆の歓声の中、じっと座っているだけ
でも、2歳児にとっては相当なスキルが居るはず。それに加えて
「ここで手に持っていた小道具を黒子さんに渡すんだ」とか
「受け取った扇子は腰にさすんだ」とか、ちゃんと分かってる。
突然手をたたき出すから、やっぱり子供よねぇなんて思っていたら
次の場面で、踊りの中に手拍子を打つ所があって、それをやって
いたんですよ。
手の動きも、前で踊っている人と同じ動きをしていたりしているし
見得を一緒にやっていたり。すごい子です、本当に。
最後の見得も決まってて、やんやの喝采でした。

芸者姿の七之助君がちゃんと面倒をみていて、扇子を腰に
差してあげたり、手をつないだり・・と、まるで若い母親のよう(笑)。

ああ、私も結局七緒八クンしか目に入っていなかったわ(^_^;)。
悲しくて、上演中も泣いていたりしたけど、でもやっぱり観に行って
良かったな、と思います。


熊谷陣屋に関しては、上演から30分程度しか観ていないため
感想はパスします。
途中で出たりして、失礼でしたけども、少しでも長く観たかったので・・。
幕観席っていう選択もあったけど、売店とか歌舞伎座内を探検
したかったのでね。

7月か8月ぐらいに、今度はゆっくり観劇にやって来たいと思います!