8月の風物詩(笑)、子供のためのシェイクスピアカンパニー。
ただ、朝からホットヨガで汗をかき、昼に映画館のエアコンで体が
芯まで冷えすっかり体調不良。頭痛が治まらず、痛み止めを飲み、
エアコンのない劇場横の木陰のベンチで休むこと小一時間。
(今日は木陰は涼しくて快適。)何とか開演前にふっか〜つ♪

ジュリアス・シーザー子供のためのシェイクスピア
「ジュリアス・シーザー」
愛知県芸術劇場小ホール 4列目
18:00開演、19:55終演、ポストトーク付き
原作:W.シェイクスピア  脚本・演出:山崎清介
出演:伊沢磨紀、戸谷昌弘、若松 力、河内大和、北川 響、山本悠生、長本批呂士、チョウ ヨンホ、山崎清介
【あらすじ】
戦に勝ち、ローマに凱旋したシーザーを歓喜して迎えるローマ市民。 しかし、シーザーが独裁者となることを恐れた者たちは彼の暗殺を企てていた。その計画にシーザーの信頼するブルータスも加わり、シーザーを殺害する。 シーザーの暗殺を知った市民の前で、「ローマの自由のためであった」と説明するブルータス。しかし、シーザーの腹心アントニーの演説を聞くと市民たちは「暗殺者たちは謀反人だ」と騒ぎ始めた。 ローマから追われる身となったブルータスたちは、反撃の機会をうかがいフィリパイへと軍を進めていく。




このシリーズは固定ファンが多いから、観劇人口の少ないこの
土地でもボヤボヤしていたら、ポストトークのある回は
売り切れてしまうのですよね。(今回もソールドアウトでした)
毎年期待を裏切らないクオリティなので、いつも楽しみで。
ジュリアス・シーザーは今まで観たことがありませんでしたが、
「ブルータス、お前もか」ぐらいは知ってます(笑)。
分類としては悲劇。歴史モノではあるけど、シェイクスピアの
作品分類としては「史劇」には入らないんですよねー。

今回のイエロー・ヘルメッツはチョウ・ヨンホさんがセンターでした。
自分の頭が大きいという話を長々として、「いつまで話すんだ!」
と、周り(多分、戸谷さん)から突っ込まれていましたよ。


ローマ史を良く知らない私にとっては、前半戦は少々難解。
難解というか、相関関係が少々分かりづらかった。
とはいえ、原作もそういう作品なので、決してこの舞台が
分かりづらいっていう訳ではありません。

ポストトークで山崎さんもおっしゃっていましたが「休憩の
入れどころがない」1本の割と骨太なストーリーです。
(過去にも休憩なしの作品を上演した事もあるそうですが、それは
吉田鋼太郎さんが出演された「リチャード2世」だそうです。)

歴史モノというか政治劇。
紀元前のお話だというのに、今の時代と同じような事が
繰り返されているのですよね・・・。
そして政治家の発言・演説に翻弄される民衆・・というのは
時代も洋の東西も問わず同じなのか、と。

でも、なぜこの舞台のタイトルがジュリアス・シーザーなんだ?
というか、タイトルロールなのにすぐ死んじゃうんだ・・というのが
ちょっと意外(笑)。これ、主役はむしろキャシアスとブルータス
の二人なんじゃね?って思ったのは私だけかしら?
ジュリアス・シーザーの人となりであったり、人間性というのは
あまりこの作品中では語られないし、むしろブルータスの高潔さと
キャシアスの人間らしさの対比、そして二人の考え方の違いから
引き起こされる悲劇が見どころなのにねーって。
これはシェイクスピア先生に聞いてみないと分かりませんね(笑)。

そして有名な「ブルータス、お前もか。」のセリフ。
ブルータスはシーザーの息子だという説もあるそうですね。
でも、その真偽は別として、少なくともシーザーにとっては忠臣と
思っていた訳ですよね。そういう事を知ったうえで聞くと、何とも
切ないセリフです。ブルータスを責めるというよりは、それを
見抜けなかったシーザーの自嘲のように思えます。

ただ、敢えて言うならば、ブルータスの「高潔で、公明正大さを尊ぶ」
という人格の見せ方が少々弱いかなあ、ただの優柔不断な人っぽく
見えちゃう気がするんだよなあ・・と言う所が、個人的には残念。
(イエロー・ヘルメッツの印象が強すぎたかもしれません(笑))

でもいい意味で、相変わらずクラップであったり、早替わりが
面白いですね。セットも本当に椅子と机だけですし。
今回は珍しく大音響で効果音や音楽を多めに使っていたように
思いますが、このカンパニーの舞台を観ると、映像なんてなくても
大がかりなセットも無くても、面白い舞台は出来るんだよなぁと
感心させられます。
もちろん、映像を使ったり大がかりなセットのある舞台も楽しい
のですが、こういう作品は演劇でしか味わえない楽しみがある
と思わせてくれますしね。

屍が積み上げられていくかのようなラストシーンは、、政治や
戦争によってこれからも多くの命が失われていく暗示にも思えて、
ちょっとブルっとしてしまうほど印象的なシーンでした。

今回は初めて参加される役者さんが多くて新鮮でしたよ。
私は殆ど覚えていないのですが、河内大和さんは「エッグ」やら
「中国の不思議な役人」で、北側響さんは「雨」や「蜉蝣峠」で
チョウヨンホさんも「雨」にご出演だったそうです。
(覚えてなくてスミマセン・・・)
山本さんのポーシャは想像以上にキレイでしたし。本人は衣装と
鬘を付けた姿を見て「げー」と思っていたそうですが、私としては
蜷川シェイクスピアで観慣れているのでぜんぜんアリで(笑)。

若松さんが若手から中堅になってきた感じがします。凛々しくて
でもちょっと計算高い所が垣間見えるのが、アントニーっぽい。
このアントニーが「アントニーとクレオパトラ」のアントニー
なんですよねー。なんか繋がってきて面白〜い♪

来年は8月下旬(例年と同じ時期かしら?)で「ハムレット」
とのこと。これまた楽しみでございます!


★ポストトークでは劇場サイドが用意した質問に答える形で
質疑応答はありませんでした。
山崎さんが味仙と台湾ラーメンに詳しかったのに驚きましたが(笑)。