この作品は2008年の上映時に観たことのある作品で、その時に
とても気に入り、結局DVDでも持っているんですが、“月イチ歌舞伎”
で上映され、上映期間が延長になったと聞き、観にやってきました。

野田版砥辰の討たれシネマ歌舞伎「野田版研辰の討たれ」2007年作品
出演:中村勘三郎,中村福助,中村扇雀,市川染五郎,中村勘太郎(現・勘九郎),片岡亀蔵,中村源左衛門,中村七之助,中村獅童,坂東彌十郎,中村橋之助,坂東三津五郎
【あらすじ】
赤穂浪士討ち入りのニュースは、江戸から離れたここ近江の国、粟津藩にも伝えられ、剣術の道場はその話題で持ちきりです。しかし一人だけ、赤穂浪士を馬鹿にする人物がいました、もと町人、研屋あがりの守山辰次です。仇討ちなんて馬鹿馬鹿しい、武士といえども潔い死を望まない武士もいる筈だと言い出す辰次を、家老の平井市郎右衛門が叱り付けました。すると現実的で抜け目ない辰次はすぐに態度を変え、剣術に優れた市郎右衛門に剣術を学びたいとお追従を言う始末。主君の奥方、萩の江の前で、市郎右衛門に散々に打ち据えられて、辰次は仕返しに一計を案じますが・・・




観に来ていたおばちゃまの話を聞くとはなしに聞いていると
どうやら週末までは満席で観られない回もあったらしいですね。
延長分の上映だったからか、私が観に行った時は3割〜4割ぐらい
とういちょっと寂しめの客席でした。



ちなみに、せっかくミッドランドに行ったので、上映前にこちらをGET。
シレンとラギゲキシネ「シレンとラギ」の前売りです。






正直この作品はもう、ゲキシネで観なくてもいいかなあ・・って
思っていたのですが、映画館で上映してもらえない頃からゲキシネを
観ていたので、何となく“上映したら観なきゃ”って感じで(笑)。

そうしたら、シネマ歌舞伎の前に予告が・・。

でもやっぱり、新感線って(観慣れているから)落ち着くというか(笑)。
“上映したら観なきゃ”とか言っても、やはり楽しみは楽しみです♪





やっぱり何度観ても好きな作品は好きだ、と再確認(笑)。
あと単純に「皆さん若〜い!」(笑)。
2007年上演なので、ギャグとかを含めてその時代を感じます。
勘太郎(勘九郎)クンの彼女の話とか、相手は愛ちゃんだったんですよね。

本当に、この勘三郎さんがもういらっしゃらないなんて信じられない。
まだ6年前にはこうして汗だくになって、新作に取り組んでいたのに・・。
「誰よりも長生きして、皆の葬式に行ってやる」
なんてセリフはギャグなのに笑えないし(涙)、「死にたくない」という
辰次のセリフも、どうしても勘三郎丈に重ねてしまう。
三津五郎さんとの掛け合いを観ると、三津五郎さんの弔辞を思い出して
しまうし、三津五郎さんご自身の闘病の事も考えてしまう。
この作品にはお元気な源左衛門さんもご出演(涙)だし・・・。


・・・この数年で本当に歌舞伎界では色んなことがあったんだなあ・・。


そんなおセンチな気分も多分にありながら、でも初めて観た時より
これを歌舞伎座で上演することにどれだけ勇気が要っただろうか
と言う事が前よりもよく分かる。
お客さんを楽しませよう、と勘三郎さん達が考えていたんだなあ
と言う事も良く伝わって来るし。
隣のおばちゃんたちだけでなく、ほかのお客さん達も良く笑って
ラストシーンには驚いていて、歌舞伎ファンでなくても本当に楽しめる
素敵な1本だと思う。

そして、野田さんの凄さもよく分かるよね。
脚本の解釈も、シルエットを使った演出も、斬新で野田さんらしい。
古典の「研辰の討たれ」もとても楽しい演目だったけど、やはり
私はこの野田版のほろ苦さがたまらなく好きなんだな。

重ね重ね、この作品を歌舞伎座で生で観なかったことを悔しく思うし
この作品の(オリジナルキャストでの)再演が観られない事が悲しい。
カーテンコールでの勘三郎さんの表情を見て、思わず涙が
出てしまいました・・・。