プレビュー公演を観たのは約1か月前。
最終列車に間に合わないので、カーテンコールを放棄して帰ったので
今回はゆっくり、最後まで観るぞ!の気合いで(笑)。

鉈切り丸いのうえシェイクスピア「鉈切り丸」2回目
東急シアターオーブ2列目


あらすじ等は省略!








前回は後ろから2列目、今回は前から2列目(笑)。
極端すぎるっちゅーねん!
まあ2列目が“良い席”かどうかは別問題として、前回後ろから
観て良かったこともあれば、俳優さんがじっくり観られないという
残念な事もあったので、そういう意味ではありがたいお席でした。

あー、早く次の“いのうえ歌舞伎”情報オープンにならないかな。
11月末まで引っ張る気かしら。
遠征日程を決めるのに困るので、早く教えてほしいんですが。
※なんて書いていたら直ぐに「蒼の乱」発表になりましたね(笑)。




2度観てもやはり、脚本が上手くできてるなあ・・という感想は変わらず。
うまく言いくるめていく主人公に「なるほど、そんな方法があったか」と
思わず思ったりして、口先で成り上がっていく様子が小気味よいくらい。
リチャード3世がベースだけど、マクベスやらタイタス・アンドロニカス
を連想するようなシーンが散りばめられていたりしますしね。
リチャード3世の「馬をくれ、馬を」の部分も上手く翻案してました。

全編を通して「歴史に名を残す事」が一つのテーマとしてよく伝わりました。
一般人の私にといって、後世が自分をどう評価するか、とか
どう歴史に名を残すかなんて考えたことがなかったけど、ある意味
究極の欲望なのかもしれないと思う。今のように映像や音声で
記録を残せなかった時代なのだから。
だからこそ、ラストシーンに「お前は見目麗しい男として、謀反により
殺された事になる」と、自分自身の存在を否定されるような言葉が
一番鉈切り丸に堪えたんでしょうね。
洋の東西、時代を問わず、歴史は都合よく書き換えられるもの、
と言う事を皮肉っているようにも思えます、

前回は席が遠いがゆえに個人がよく識別出来ないところもありましたが
今回は、渡辺いっけいさんを十分堪能する事が出来ました。
景時はリチャード3世だったら、スタンリー卿に近い役どころですよね。
もっと日本人的な設定になっていると思うけど。
実は、いっけいさんを生で拝見するのは初めてなんじゃないかな?
義盛と共に頼朝を心から支え、その忠誠心故に義盛に嫉妬し、その嫉妬心を
うまく鉈切り丸に利用されてしまう。一旦は頼朝を裏切ろうとするものの、
自分の愚かさに目が覚める。
そういった感情の動きが、表情だったり小さな動作に現れていて
これは前の時には観えなかったわーと、ちょっと悔しく思ったり(笑)。

そして前回は、飄々としたキャラクターとセリフの間の上手さで
目を奪われた頼朝の生瀬さん。
もちろん今回もその辺りは変わらなかったのだけど、亡くなる寸前の
セリフ「支度をするばかりの人生だったなぁ・・。疑って、戦って・・」
という中に、この人の本質を見る事が出来て、とても切なかったよ。

若村麻由美さん演じる北条政子も良かったよね。
確かに「後ろに控えて支える」タイプじゃないし、人を信じられない
人としては少し残念なタイプだけど、政子自身に出世欲がある訳じゃない。
ダンナにしっかりして欲しい、ダンナに出世して欲しい。
そういう気持ちを頼朝も分かっているからこそ成り立っている夫婦感
があって、それが“笑い”になっていた気がします。
だから頼朝が亡くなった時の「無念な気持ちは私が引き継ぎます!」
と言わんばかりの意志を感じられる表情が印象深い。
それにしても、「カリギュラ」の時とは全く違う印象だわ、すごい女優さん。

主演の鉈切り丸を演じた森田剛クン。
前回より表情が良く観えたので、前よりもずっと印象は良かったです。
鉈切り丸という、どこか血なまぐさい、洗練されない、野性味のある役は
この方に合っていますね。
身体能力もいいから、殺陣もバッチリ。
バッチリすぎて、足が不自由な設定のはずなのに、不自由なはずの方の
足で踏ん張ったりしてて、「足が不自由」感が無くて違和感あったけどね(笑)。
一応、膝をついたり、座ったままの殺陣がつけられていたようだけど
熱中して来ると、足をかばうのを忘れちゃうんでしょうね。

多少は成長してるかなーと思って期待したけど、成海璃子ちゃんは
初見の時と印象変わらず。残念ですね。
リチャード3世のアンと思えば、こういう可愛らしい感じもアリかな?とは
思うのですが、巴と言う役なのであればちょっと力不足感が否めない。
わが魂は輝く水なり」で秋山菜津子さんが巴を演じているのを
観てしまっているので、どうしてもハードルが高くなってしまうんですが
どんなシーンでも声を張るばかり。健気さは十分伝わってくるのですが
どのシーンも違いが感じられないんですよね・・・。

麻美さんや秋山菜津子さんの出番が少なかったのが残念よねーとか
あの着ぐるみの意味は何なんですか?必要ですか?とか
思う所もありますが、良くできた作品で、役者さんも良くて楽しめました。
やっぱり2回観て良かったな♪

あ、今回は鉈切り丸に迫られた時、長い髪を森田君が引っ張ったか
押さえてしまったかして、璃子ちゃんのカツラが後ろにズルっと
ずれてしまい、羽二重が丸見えになっちゃったのですよ。
シリアスなシーンだし、自分で直すわけにもいかないし。本人も
焦られたでしょうが、観ている方も「完全に脱げたりしないかしら」なんて
璃子ちゃんのカツラが気になって仕方なかった(笑)。

そして、霧状の雨が降るシーン。
客席にいても冷気が感じられて寒かったんですよ。
演じている方は雨で濡れていかれるわけで、いくらライトが当たって
いたとしても季節柄寒いだろうなあ・・なんて思ってしまいました。

音楽CD
結局パンフレットは買わずに(東京公演から舞台写真入りになってました)
音楽CDのみお買い上げ。
パンフも読みごたえありそうだったのですが・・・。
新感線も最近の公演は概ね全部CDを持っています。
舞台を観る限り、岡崎さんの音楽とあまり大きな差を感じなかったけど
CD単体で聴くと、やはり岡崎さんとは違う。
ちょっと新たな発見でございました♪