赤坂大歌舞伎は初演の頃から興味があったのですがどうしても
後回しになってしまっていたのですが、勘三郎さんが不在になった今
やっと観に行くことになりました。

赤坂大歌舞伎「赤坂大歌舞伎」赤坂ACTシアター最前列
12:00開演、15:10終演

 一、操り三番叟
 ニ、お染の七役 三幕七場

出演: 中村勘九郎、中村七之助、坂東新悟、中村国生、中村鶴松、片岡亀蔵、坂東彌十郎 ほか




ここ数年は勘九郎丈にスポットが当たる公演が多かった印象ですが
今回は七之助丈の活躍が見られる、というのも興味があったんです。
(もちろん今までにも七之助丈が活躍された公演もありましたが)

ACTシアター
感想は追記にて。




一、操り三番叟(あやつりさんばそう)
三番叟 : 中村 勘九郎
千歳 : 坂東 新悟
後見 : 中村 国生
翁 : 坂東 彌十郎

「操り三番叟」は中日劇場でも観たばかりです。あちらは
中日劇場50周年だから、と言う事は分かるのですが、今回は何か
寿ぐものがあったのかしら?

でも坂東彌十郎丈と、信吾丈の二人が並ぶ場面を今まであまり
観る機会が無かったので新鮮でした。2人とも背が高いですよねぇ。
やっぱりこういう作品は彌十郎丈のような経験のある方が演じられると
どっしりと安心感があるなあ、と思います。
(ま、単純に私が彌十郎丈が好き、という贔屓目もあるでしょうが。)

そして、後見役は中村国生丈。すごく印象が変わりましたね!
もっと若い(というか幼い印象)の頃のイメージが強く、その頃は
ぷくぷくとした健康男子!って感じでしたが、スッキリとした若者になって。
襲名も決まりましたし、これからが楽しみですね。


 
   於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
二、お染の七役(おそめのななやく)
   浄瑠璃「心中翌の噂」
油屋娘お染
丁稚久松
許嫁お光
後家貞昌
奥女中竹川
芸者小糸
土手のお六・・・中村 七之助
鬼門の喜兵衛 : 中村 勘九郎
油屋多三郎 : 坂東 新悟
船頭長吉 : 中村 国生
腰元お勝/女猿廻しお作 : 中村 鶴松
庵崎久作 : 片岡 亀蔵
山家屋清兵衛 : 坂東 彌十郎

 質屋油屋の娘のお染と山家屋清兵衛の縁談が進められている中、お染には久松という言い交した相手がいた。久松にもお光という許嫁があり、元は武家の子息で紛失した御家の短刀と折紙を捜していた。姉の竹川も久松の身を案じ、短刀の探索の金の工面を土手のお六に頼む。お六と亭主の鬼門の喜兵衛は油屋で金を騙し取ろうとするのだが…。


期待していた七之助丈をしっかり堪能することが出来ました。
早替わりもすごくて。
(ただ最前列だったので、後ろに隠れた途端走り出したりして
ドタドタドタ・・という音が聞こえてきたのが少し残念ですが)
また単純に衣装とかが違うだけでなく、演じ分けをするのが
凄いですよね、本当に。
私は芸者の小糸のような役の七之助丈が好きなんですが、
お染もお光も可愛らしくて楽しかったなぁ。
心を病んでしまったお光も良かったです。
早変わりが目の前で行われているのに、その仕組みがよく
分からないって、驚きです。毎回この早変わりは目を奪われます。
客席からも「おぉぉ」って声がよく聞こえてきました。

あとは亀蔵丈もやっぱりいいなぁ。
あの「空気読めてません」みたいな感じは抜群だと思います。

今回は会社の後輩もこの公演を観に来ていました。
人生初歌舞伎観劇だったそうで、「どうだった?」と聞くと
「楽しかった」とのこと。良かったよかった。


あと、この公演の途中でお染が「近道をする」という体で客席を
練り歩くシーンがあります。
ちょうど左右の通路の真ん中辺りで「あ、こんなところにお地蔵様が・・・」 
と立ち止まりました。まあ勘三郎さんの頃からこのネタはあるので
あまり深く考えていなかったのですが、振り返って見るとその
“お地蔵さん” にスポットが当たり、生田斗真君だと分かりました。
照れまくっている斗真君なんか完全に無視した状態で
「久松様に出会うなんて、あり得ないでしょうか?」と“お地蔵さん”に
七之助丈が問うと、お地蔵さん、覚悟したように
「いや、アリエール(あり得る) でしょ」と。会場爆笑です。
斗真君、お疲れ様でした(笑) 。