今回の遠征の1本目です。
ウッディ・アレンの映画は、別に嫌いではないものの、あまり
観ていませんし、演出は苦手な方だし、ミュージカルだし、普段なら
選ばないカテゴリーの公演ですが、浦井くんは観たいので(笑)。

ブロ銃「ブロードウェイと銃弾」日生劇場GC席B列
12:00開演 14:45終演
原作:ウディ・アレン/ダグラス・マクグラス
(映画「ブロードウェイと銃弾」より)
脚本:ウディ・アレン   演出:福田雄一
出演:浦井健治、城田優、平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里、加治将樹、青山航士、他
【あらすじ】
劇作家のデビッドは、念願が叶い自分の戯曲をブロードウェイの舞台にかけることになり張り切っている。しかし、プロデューサーが見つけてきた出資者はマフィアの親玉ニック。キンキン声でろくに台詞も言えない、大根以下の自分の愛人オリーブの出演を要求し、部下のチーチを監視役として送り込んできた。稽古場に集まったのは、台詞も覚えないくせにワガママなオリーブ、プライドの高い主演女優ヘレン、名優だが過食症で女癖の悪いワーナー等。稽古が順調に進むはずはない。挙句には、監視役のチーチまでが脚本と演出に口を挟んでくる始末。だがチーチの提案は、的確な意見ばかりであることに気づき、デビッドはチーチと共に脚本を書き直し、舞台は見事大成功するのだが…。舞台と人生、どちらが大切か―大きな選択を迫られた彼らが選ぶものとは!?



今回もまた1階席が来ないのねー。
でも、GC席は高さが低いし、想像していたよりもステージが近く
また2列目なので後ろを気にしなくてもよいので、思ったよりも
満足感が高かったです。




 

チーチ(城田優)が出てきて、ステージ上に銃を撃ち、銃痕がLEDライト

となり、タイトル(bullets over Broadway)が表示されて開幕です。

 

尻尾のついた衣装で踊るダンサーの中に、一人微妙な女の子が

混じっているのだけど、それがオリーブ(平野綾)。

アニメ声という設定を地で演じられる、稀有なミュージカル女優・・()

オリーブは自分がいかにダメダメなのか、全く分かっていない

井の中の蛙なので、ある意味とても怖いもの知らず。

平野さん、この役がすごくしっくりきてしまうのは私だけでしょうか。

そんなオリーブはマフィアのボスであるニック(ブラザートム)の愛人。

オリーブには甘くて、「スターになりたい」というオリーブの希望を

叶えるために、舞台興行のスポンサーとして出資することに。

 

一方、デビッド(浦井健治)は売れない脚本家。

芸術肌というよりも、頭(だけ)でっかちタイプ。

過去に自分の戯曲が上演された事もあったけど、演出は別の人が担当して

評価は散々。本来はいい戯曲なのに、演出のせいで・・と思っている。

そんなデビッドの所に、ニックがスポンサーになるという話が舞い込む。

「どこかで聞いた名前」と思いつつも、ニックが何者かを思い出せず

ブロードウェイで、演出も自ら手掛けられ、名優と言われる俳優の

キャスティングに浮き足立つ。

その後、周りに振り回されていくわけですが、浦井君はこういう

周りに振り回される役が似合います()

 

アドリブと思しきシーンなんかもあって、キャストがのびのび

演じているな、という印象も受けます。

城田君に持っている新聞か何かで頭をはたかれるシーンもありますが

いい間なんですよね。

城田君も思い返せば初めて舞台で拝見したのが「スイニートッド」の

初演ですが、存在感のある俳優さんになったなぁと思います。

 

それにしても、浦井君は身長180センチぐらいで、高身長のカテゴリに

入るはずなのですが、城田君の身長が高すぎて(190センチ)

すごく「小柄な、ちょこまか動く男の子」みたいになってて笑えた()

城田君のほうが4歳も年下なのに、年上に見えたしね。

髪の毛クルクルで、楽しそうに歌ったり踊ったりして、見ているだけで

ハッピーになる笑顔でした。←ファン目線ですが。

 

ブラザートムさん、ちょっと台詞が怪しいぞ(思い出しつつ話している感じ)

とか、前田美波里さん、以前拝見した時も迫力があったので、存在の迫力は
想定の範囲内でしたが、あんなに歌が迫力あるとは思っていなかったぞ。
そして、「王家の紋章」で浦井君(メンフィス)に片思いしていた
ミタムン(愛加あゆ)がフィアンセ役。可愛らしいけど、怒ると
迫力があって、なかなか美味しい役ですね。
しかし、デビットに絡む女性が「ヘレン」と「エレン」って、
わざと似せた名前(フランス人が呼んだら同じになっちゃう(笑))に
したのでしょうか。

 

ほんと、細かい点まで言い出したら突っ込みどころばっかり()

いくらオリーブがアニメ声で演技が出来ず、セリフも理解できない

おバカさんだからって、そう簡単に殺さないでしょ、と思うし

あのドタバタ(マフィアが登場する)の何が評論家の絶賛を浴びるのか

意味不明だし()、エレンの「私も浮気していました宣言」の目的は何?

と思ってしまうし(ましてや簡単に元鞘に収まろうとするし)、
全体に薄っぺらいというか漫画ちっくなんですよね。

でも内容はそんな感じなんですが、ダンス(城田君のタップも含め)も

歌も、見応えはバッチリですし、セットもキラキラしていて

ミュージカルというより「ショー」に近いっていう印象かな。

私が福田さんの舞台で苦手な点の1つは、通好みのネタをばんばん

ぶっこんで来るところで()、その世界にに詳しい人等は、とても

楽しいんだろうと思うのですが、そうではない私には、ただの

内輪ネタにしか思えず、どうしても疎外感というか、置き去りにされる
っていう所なのですが、今回はそういう印象はあまり受けなかったな。

 

あまり深く考えずに、華やかな舞台に歌と踊りを見て、
ちょいちょい笑って、素直に楽しみましょう、っていう作品ですね。

でも、たまにはこういう作品も悪くないな、と思いました!
(ていうか、これ以上大して書くべき感想が無い・・・)