公演初日に観て、これが2度目。ほんの数日前にライブビューイングで
観たばかりなので、「ああ・・行くの止めようかな」と思わぬでもなく。
日曜ソワレだから、夜行バスで帰って、仕事に行かないといけないしな・・
というのもありまして。
じゃあ、何故日曜ソワレを取ったんだ?って話ですが、チケットの
取りやすさ優先でエントリーしたので、自業自得。

修羅天魔
「修羅天魔〜髑髏城の七人 Season極」 IHIステージアラウンド東京27列
18:00開演    21:45終演
作:中島かずき     演出:いのうえひでのり
出演;天海祐希、福士誠治、竜星涼、清水くるみ、右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、吉田メタル、保坂エマ、川原正嗣、三宅弘城、山本亨、梶原善、古田新太   他
【あらすじ】
関東荒野に現れた一人の美女、渡り遊女の極楽太夫(天海祐希)。だが彼女こそは、かつて織田信長に最も信用され愛された凄腕の狙撃手だった。関東では髑髏の仮面で素顔を隠した天魔王(古田新太)が率いる関東髑髏党が髑髏城を築城、関東に覇を唱えその勢力を広げていた。その髑髏党に追われる熊木衆の少女・沙霧(清水くるみ)を助けた極楽は、関八州荒武者隊の頭目である兵庫(福士誠治)の口利きで無界の里に身を寄せる。この無界では、一番人気の若衆太夫・夢三郎(竜星涼)がこの里を盛り立てていた。そこで極楽を待っていたのは狸穴二郎衛門(山本亨)を名乗る徳川家康。彼は極楽に天魔王暗殺を依頼する。だが、彼女に狙われていることを知った天魔王は自ら極楽の前に現れその仮面を取る。極楽が銃口を向けたとき、天魔王は意外な真実を告げるのだった。
  

27列かよ、どんだけ後ろだよ・・と思って席についたのですが
確かに後ろなんですが、センターなので全体が観えるのが
悪くない感じですね。全体の印象と、一部の役者さんについては
追記にて。




うむ、やっぱり生で観ると最初に投影される文字も読み取れますね。
顔まではしっかりと観えないけど(オペラ使わない派だし)、天海さんの
オーラはさすがとしか言いようがないですね。
あれだけ広い舞台で一人でポツンと居て、「一人ぼっちで立ってる」と
思わせない。序盤の映像で彼女を芯にして花(曼珠沙華かな)が開く
シーンがあるのだけど、ハマってましたからねぇ。
ほんと「華がある」って言う言葉がピッタリなのと、立ち姿がキレイで
素敵だなぁとため息がでそうです。これで50歳かよ(爆)。

花ならば百合とかカラーとかのイメージがあったのですけど、今回の
極楽大夫の衣裳のイメージはハスの花。
ハスは綺麗な水では小さな花しか咲かず、汚い水の中でこそ大きな花を
咲かせるという特徴があると言う情報を見たことがあります。
製作側がそこまで意図しているかどうかは別として、極楽大夫と
通じるものを感じる話だなぁ・・と。

今回は結構後方からの観劇となり、役者の顔はあまりはっきりとは
観えないのですが、その分首を振らなくても映像は視界に入ってきます。
三五の詠む俳句だったり、歌の歌詞だったり・・(笑)。
ただそれよりも、舞台と一体となった映像を今さらながら「なるほど」と
思ったりもしました。鳩が飛んでいる時の映像とか、髑髏城に近づいて
行く時の映像とか、かなり臨場感があるんだー、と言う事を再確認。
また、今まで客席が動くのは違うセットを見せるためだったと思うのですが
(もちろん今回もそうなんだけど)爆破で地面が揺れている・・という
状態を表現するために、ちょっとだけ動かしたり・・っていうのも
ありましたね。

初日から観て、ずいぶん天海さんの演技に感情が乗って来たな・・と
思いましたね。
助けた沙霧に「火薬のにおいがした」と言われた極楽大夫が
「本当に鼻の効く子だねぇ」という時のドスの効いている事と言ったら(笑)。
自分が狙撃主だという事を「口外法度に願います」と言ったのに
夢三郎が知っていて「あの野郎」っていう時の声とか、笑っちゃうほど。

古田さんの天魔王も遠くから見ても圧を感じる迫力が素敵です。
が・・・やっぱり噛むんですよ、この方は。
ライブビューイング合わせて3回目ですが、ほぼ毎回同じ所で噛んだり
「大丈夫かな、噛まないかな」って思うような所も幾つもあって。
帰宅してから過去の新感線作品をDVDで何作も観ましたけど、
今まではそんな事はないんですよね。
また立ち廻りも、何度観てもやっぱり精彩を欠くというか、あまり
冴えた立ち廻りと言う感じは受けない。
それは今回の役としてそう設定されているのか、ご年齢的にももう
これ位が妥当なのか・・は分かりませんが、やはり少し寂しいものです。

今回は極楽大夫の顔見世の時に、物陰からジト〜っと眺める兵庫を
自分で確認しよう!と思って臨んだのに、実際そのシーンになったら
天海さんを目で追ってしまって、全くチェックできませんでした(笑)。
次回行ったら、是非確認しよう!

ちなみに今回の兵庫は福士誠治さん。元々好きな俳優さんです。
福士さんは何作か拝見していて、自分の中で印象に強く残っているのが
ワンピース歌舞伎のエースと「狂人なおもて往生をとぐ〜昔、僕たちは愛した〜」
の出(いずる)役です。いずれも男臭くて、近寄りがたい雰囲気を
醸し出している役だったので、一体どんな兵庫になるんだろう?
と、想像が出来なかったんですよね。兵庫ってもっと若い子のイメージ
がありましたし。
でも実際観てみると、ちょっと昔のヤンキーみたいな雰囲気があって
真っ直ぐで裏表のない感じが意外と合ってて。
逆に「少しお兄さん」なビジュアルだから「困ったアニキ」という
感覚に違和感が無かったのかもしれません。

あと、兵庫とともに他の髑髏城でも出てくるキャラクターとしては
沙霧がありますね。今回は清水くるみさん。
ロミジュリと乱鶯で拝見しているはずですが、正直あまり記憶が無く・・。
沙霧の背景としては他のシリーズと変わりはないですけど、今までより
はねっかえり感が少なくて、割としっかりしているキャラクター。
思ったより体が動くんだ、と言う事に感心しておりました。

狸穴二郎衛門は山本亨さん。
亨さんもちょっと恰幅がよくなられましたね。その分大名っぽいですが。
腹に一物があるような、敵か味方か読み切れない役でした。
でもこの方も小芝居が多いというか、何気に笑わせられるところが多くて
目が離せなかったりします。私的ベスト狸穴二郎衛門は千葉さんだ
と言う事に変わりはないのですが(スミマセン)、この修羅天魔には
亨さんが合っていたなとは思います。

顔は観えないけど、やっぱり生で観る舞台って楽しい。
数日前にライブビューイングで観たしなぁ・・とは思ったのですけど
観終わって「ああ、面白かった」と言う感覚はやっぱり段違い。
悩んだけどやっぱり観に来てよかったな。
当然ではありますが、初日よりも流れが良くなっていますしね。

ただねー、私は舞台の中の挿入歌に歌詞があるものは以前より
あまり好きじゃないんですよ。最近の新感線はそういうのが多いですが。
すごく前方で観ている時には、役者さんを観るので精一杯なので、
比較的感じないのですけど、全体を俯瞰してみるとやっぱり・・ね。
何となく自分の感情が歌詞に引っ張られてしまうので。
それがやっぱり残念と言えば残念かもしれない。

次はGW。2列目のセンターブロックなので役者さんがかぶりつきで
観られるお席ですので、細かい話はまた次の観劇時の感想で。