連休2日目は刈谷市へ。想定していなかった地方公演があったので
チケットをGETしておりました。

GHOST「GHOST」刈谷市総合文化センター 大ホール3列(2列目)
13:00開演、16:15終演
脚本・歌詞:ブルース・ジョエル・ルービン 
音楽・歌詞:デイブ・スチュワート&グレン・バラード
演出:ダレン・ヤップ
出演:浦井健治、咲妃みゆ、平間壮一、森公美子 ほか
【あらすじ】
強盗に襲われ命を落とした男は、幽霊となって恋人の側に現れるが、彼女には彼の存在がまるで伝わらない。やがて自分を殺した強盗が彼女にも迫っている事を知った男は、彼の声を聞く事の出来る霊媒師の力を借りて危険を知らせようとするが……。


前回は秋元才加さんの回を観たので、今回は咲妃さんのモリーを
観たいと思っていたんですよね。

でも今回は席がねぇ・・。
この作品はセットが2階建てなので、前過ぎると見上げる事が多いし
下手の端っこなのが・・・。
背の高いセットが手前にあるので、視界の邪魔になるし、
サム達の部屋の左端に置いてある像とか見えないんですよね。
まあ、私は一度全体が見える席から観劇しているので、
分かると言えば分かるんですけども。





席に文句はありましたけど(笑)、前だからこそ観える事もあり、
前回観てからもう1か月半経っているので、久しぶりに観て
「おお、そうだった」と新鮮に思ったり、「浦井君、ギターに慣れたなあ」
なんて思ったり(笑)。

まずは咲妃モリー。
前回は秋元さんの初日だったので、それと比しては気の毒ではありますが
歌唱力でいうと、言わずもがな・・って感じかなぁ。
この作品、モリーの歌はすごく難しい曲が揃ってるなぁ・・と前回
思ったものですが、今回はそういう印象を特に受けなかったですし、
声量・音程ともに本当に安定していて良かった。
秋元モリーが気の強い現代的な女性、と言う感じで、サムを尻にしいている
感が強くて、だからこそサムの喪失感が良く伝わってきたけど、簡単に
カールに惹かれていくのは、ちょっと強引な印象がありました。
対して咲妃モリーは可愛らしい中に芯の強さを感じる女性、って言う印象。
弱さも感じるので、悲しみがにじみ出ている、と言った様子で、その状態で
カールに接近していくのは自然に感じられましたね。
秋元さんと比べると背が低めなので、抱きかかえたときのサイズ感がいい
というか、すごく愛らしくてね〜。
この二人のラブシーンの方が、キュンキュンしましたね(笑)。
どちらも「陶芸家」って言われてもピンと来ないけど、浦井君が
銀行マンというのにピンと来ないから、まあそこは・・・ね(笑)。

浦井君はいい意味で初回観たときと大きな印象は変わっていません。
ただ近くで観られたからこそ、(とはいえ背中を見ることが多かったが)
表情の違いは堪能できました。
自分の死の原因がカールだったと知った時の絶望感は痛いほど
伝わってきました。
でも、最後、死後のカールが闇に連れ込まれていきそうになった時に、
引き留めようとするシーンでは、それはお人よしすぎやしませんか?と
今回もやっぱり思ったし、「そもそも、殺したのはお前だろうよ」と
思っちゃう私は冷たいんでしょうかね(笑)。
ま、基本的には浦井クラスタですから、抱きしめたモリーの背中を
ポンポンとするシーンが何度かあって、そこが非常に私の萌えポイント
でございました(笑)。ここだけでも近くで観られてよかった(バカです)。

初回観たときにも、サムとオダ・メイのアドリブっぽいやり取りがあって
「これは回を重ねると、どんどんハメを外していくパターンでは?」
と危惧していたのですが、そんな事は無かったですね。
「手をついてあやまりなさい」というオダ・メイに対してサムが
床に指先だけをチョンとつけたので「前屈かよ、体、硬てーな」と言ったり
後半にオダメイが高額の小切手に浮かれて、歌い踊った後で
「今日はちょっと(千秋楽だから)張りきっちゃった」と言ったぐらいかな。
あとモリクミさんはご当地ネタをぶっ込んできましたね。
  「刈谷市はお金持ちが多いんだってよ」とか
  「東海地区だと長島スパーランド」とか。
なんか、こういうご当地ネタを観るのは久しぶりな気がします。
昔は結構ストプレでもやってくれていた気がするんですが。

そう言えば今回気になったのですが、序盤、サムとカールの出勤シーンの
アンサンブルの方たち、皆さん洋服が黒いんですよね。
特に男性はネクタイまで黒って、「死」のメタファーだったんでしょうか。
そして、サムの死の直後にもカールはサムのアドレス帳をいじっていた
んですね。今回やっと気づきました。
でも・・もうNYの銀行マンで紙のアドレス帳なんて持ち歩いている人は
なかなか居ないんじゃないかなぁ。
スマホを使っているようだったから、舞台の設定は現代だろうし。

あと、下手の端っこだから見えたのかもしれませんが、銃で撃たれた
サムがゴーストとなって犯人を追った後、自分の肉体を見つける前、
セットの裏側では撃たれたのになぜ自分は怪我をしていないんだ?と
自分自身をの体を確認しているシーンがあったのが確認できました。
今回はちゃんと死体役の方が出てくる瞬間を目撃出しましたよ(笑)。


私はミュージカルを観るセンスがないので(数も観ていないですし)
的確な感想は難しいのですが、セリフや演技と歌が地続きになって
いるなぁと言う印象が強かったです。
壁や櫓状態になった分解できるセットも、スタッフの方たちが人力で
動かしていらっしゃったのですね。動かす場所やタイミングも勿論
ですが、あまりにも背が高い(割には土台部分が小さい)ので、
急いで動かし過ぎたり、傾けたりすると倒れてしまいそうでもあります。
またあの2階建ての櫓状態のセットも、近くで見ると結構揺れていたので
あの上で演技をされるのは、結構怖かったんじゃないでしょうか。
でも、あのセットのおかげで、いろんな視点からの場面が作れていたし
シームレスな演出になっていましたね。
壁の部分が半透明になっていたので、ある程度透けて見えるというのも
演出として計算されていたんでしょうね。

今回は席が残念・・と書きましたが、「この席で良かった」と思ったのが
ラストシーンです。
サムが登っていく階段の延長線上が、ちょうど私の座っている辺り
だったのです。1度観ているので「おおお、これは嬉しい!」と。
サムが振り返ってちょうどこちらを向く格好になりますから(笑)。
そういった事が関係しているかどうかは分かりませんが、前回は
泣くとか、そういう感情とは遠い所に居た私ですが、今回はちょっと
ホロっとしちゃったのですよね。
(全体の流れもとても良かった、と言う事も影響していると思いますが)
モリーを見つめる優しくて、晴々としたサムの表情が良かったです。


そして、今回は大千秋楽。東宝ミュージカルですから、ご挨拶がある
だろうな、と思っていましたが、やっぱりありました(笑)。
浦「何名かにご挨拶をして頂きます」
平「もっちゃん(あきもっちゃん、の略らしい)、呼び込まなくていいの?」
浦「あ、もっちゃん呼ぶ?」(どうやら浦井氏が手順を忘れていた様子)
と言うやり取りがあって、前日に千秋楽を迎えていた秋元才加さんが
私服で眼鏡姿のまま舞台上に登場されました。

平間君のあいさつの後、秋元さんの挨拶になったのですが、その頃には
咲妃さんがボロボロ泣いていらっしゃいましたが、彼女の挨拶の際
咲「他のキャストの人の足を引っ張らないように、力が入ってたんですけど・・」
という所でまた涙。ただすぐに立ち直り、「皆さまが幸せでありますように」
「他のキャストの皆様もお元気で。」とか言いだすので笑いが起きます。
この方は天然キャラなのか(笑)?
そして、ここで秋元才加の事を話し出すと、秋元さんも泣いていまして
また2人して号泣状態です。
咲「一緒にスケッチブックを使わせて頂いていたのですが・・(涙)」
浦「・・・書いてたんだよね」(と助け舟をだす)
咲「交換日記みたいな事をして、励ましあっておりました(涙)」
と言って秋元さんへの感謝の言葉を述べていらっしゃいました。
宝塚出身ですから、いくら年下とはいえ咲妃さんの方が舞台経験が多いだろうに、
と思いますが、それだけ退団後初めての大型ミュージカルで、戸惑う事も
不安に思う事も多かったのでしょうね。
このやり取りにはキャストも笑っていましたが、アンサンブルの女性の方
の中には、もらい泣きをしている方もいらっしゃいました。
もう、話し声も、泣いている姿も可愛らしくて、お人形さんのようでしたよ。

「最後までネクタイが結べなかった」とか、今まで浦井君が話している
ような、微妙なコメントを平間君がされていたおかげか(笑)?浦井君が
とてもしっかりしているように見えました(笑)。
「遺伝子が」「親戚まで」とか微妙なフレーズの選択はありましたが、
以前から比べると、ご挨拶もスキルアップされたなぁ、と思います←親目線。
(主演が続いたという)立場が人を作るって事かもしれません(笑)。

それからも何度もカーテンコールは続き、無事に「GHOST」は幕を閉じました。
開演前はあまり期待していなかったのですが、想像以上に好きな作品で
結果的に2度観られて良かったな、と思います。
メタルマクベスDisc3はこの千秋楽の前日ぐらいから、お稽古も始まっている
ようですので、次に浦井君を観るのは、豊洲で、と言う事になりますね。