これが遠征最後。来月観ても良かったのですけど、せっかく浦井君が
主演の舞台なので2回観ておきますか、という事で。
Disc2はチケット販売に苦戦しているようでしたが、Disc3は最初から
色々と対策をしていたおかげか、最後列まで埋まっていました。
まあ、日曜日ですしね。

メタルマクベスDisc3
劇団☆新感線RS「メタルマクベス Disc3」IHIステージアラウンド東京7列
14:00開演、16:00終演
脚本:宮藤官九郎   演出:いのうえひでのり
出演:浦井健治、長澤まさみ、高杉真宙、柳下大、峯村リエ、粟根まこと
   右近健一、橋本じゅん、ラサール石井、礒野慎吾、吉田メタル
   中谷さとみ、村木仁、冠徹弥 ほか


上演時間、とうとう4時間の大台に乗っちゃいましたね。歌舞伎かっ(笑)!
細川さんの本で「メタルマクベスは同じ脚本で」と書かれていたので
ああ、髑髏城とそもそも考え方が違うのね、と納得していたため、
ま、4時間と言われても驚きませんでしたが。

今回、浦井君のランダムスターはある程度想定ができていましたが、
長澤まさみさんはイメージできず・・・。
とはいえ、峯村さんが新感線に!とか、やっぱり冠さんの歌が
聞きたいよね、とか、最後だから川原さんも出演してる!とか
地味に楽しみなキャストでした。






やはり映像やセットなどはほぼ同じ、脚本も大きくは変わっていませんでした。
「冷やし中華始めました」の所が「おでん」になっていたりとか、
三魔女がそれぞれの「マクベス」の戯曲を持っていた場面で、一人だけ
「渡る世間は鬼ばかり」を持っていたりとか、小さな変更はあったけど。
となれば、やはり役者さんによってどう変わるか、ですか。
まだもう1度観ますので、今回はメインキャストの方の感想を中心に。

浦井君のランダムスターは、黒のフリフがついたインナーで、プリンス感が
若干ある衣装でした。単純にカッコよかったです(笑)。
話す声のトーンは低めに抑えていましたね。
そして、本当に楽しそうに演じているのが印象的で。(特に序盤)。
「炎の報告」の際で回想シーンのように出てくる場面では、
「敵はパリに行ったのか」で絵描きさんのカッコをしてきたりしていたし
スクリーンが閉まっていく時には、客席に最後まで手を振っていたりして
満面の笑みなの(笑)。オモシロなシーンやセリフも全力でやってる!
って感じ。浦井君の新感線愛は色々な所で語られていますが
「楽しくて仕方ない」って感じがこちらにまで伝わってきます。
また三魔女に出会う直前、橋本じゅんさんにビンタされるのですが
3発目がガチで入っちゃったみたいで、マイクにもボンっって音が入るし
叩かれた浦井君もビックリしちゃったみたいで、「まじ?まじ?」
みたいな顔で橋本じゅんさんを見るんだけど、その顔も嬉しそうで。
そう言えば、シャルルの時も頭を何度もゴンゴン床に落とされてたね(笑)。

メタルな楽曲に関しては、私はイマイチ浦井君には合っていないような
印象があって、ここに関しては橋本さとしさんが一番好みでした。
ただ、バラードになると「さすが」と言う感じで歌い上げていましたね。
まだ立ち回りに関しては2日目という事もあって、若干ぎこちなさを
感じるところもありましたが、やがて気にならなくなるんでしょう。
そして私の好きな浦井君の回し蹴りが2度ほど観られて、眼福(笑)。

浦井君は「暴君」みたいな役や、病んでしまったり、苦悩する役も
観た事があるので、ランディのイメージは結構持てていたんですよね。
ひいき目なのかもしれませんが、実際に観ても、哀れな所も、弱いところも
演じきっていて、その流れがとても自然に感じられました。
(バカップルぶりもね。犬になってましたからね(笑))
しかし、メタルバンドの時は、高見沢さんにしか見えないが(爆)。
この演目は初演も含めて何度も観ていますが、(原因は分からないが)
マクベスの世界と、メタルバンドのシンクロ具合が「すごいな」って
心底感じたというか、急に腹に落ちたような感覚。
バンクォー橋本を襲うようにそそのかす所と、エクスプローラーの
暗殺のシーンのシンクロ感が特にね。
クドカンすごい・・と改めて思ったのでした。

今回一番心配していたのは、ランダムスター夫人の長澤まさみさん。
以前に舞台で拝見した時に「どんだけ足が長くてキレイなんだよ!」と
見惚れてしまったのですが、そのスタイルを存分に生かすパンツスタイル。
ビールをグビグビ飲んで、旦那を尻に敷く気の強い奥さん。
歌はね、確かに前2作の女優さんに比べると歌唱力としては少々残念・・
ではありましたが、聞けないほどではなくて一安心。
長澤まさみさんが・・と言うよりも、私は浦井君のランディとは
何だかバランスが良かったんじゃないの?と思いました。
欠けた者同士、と言う感じがより強く感じられたっていうかね。

密かに期待していたのが、レスポールJrの高杉真宙さんですね。
ファブリーズのCMに出始めたころから、キレイな子だなぁ・・と
思っていたので。
舞台で観る高杉君もやはり透明感があってキレイでした。声もキレイ。
少し線が細いところは「繊細なお坊ちゃん」な印象にも繋がりました。
ただね、ちょっと歌と踊りは残念だったかも、長澤まさみさん以上に。
歌う楽曲が多い訳じゃないし、元々はレスポールJrのソロだったと思われる
部分も、皆で歌うように変わっていて、カバーはしていましたけどね。
次に行ったら、変化しているといいな、と期待しておきます。

実は何度も拝見している(らしい)柳下大さん。グレコ役でした。
柳下さんは高杉さんとは逆で「あら、歌お上手」「殺陣が上手い!」と
思いましたねぇ。
派手さはないんだけど、もともとグレコと言う役が派手なポジションでは
無いですから、ちょうどいい。

橋本じゅんさんは、一生懸命客席を煽って、盛り上げようとなさってました。
「判決(ハンケツ)を言い渡す!」はそういえばDisc2には無かったですね。
やっぱり、じゅんさんでないとね。
そして、ゲロを我慢するのもじゅんさんが上手い(笑)。
ゲロ吐きとか嫌いなシーンだけど、もうさすがに慣れました(爆)。

峯村リエさん、大活躍でした。
本当に早着替えも多いし、大忙しですよね、あの役は。
最初は「え、峯村リエさんが新感線に出るの?」と思うほど、イメージが
持てなかったのですけど、全く違和感なくて。
私は、グレコ夫人が子供と会話をしている最後のシーンが好きなんですが
今回もとても良かったです。

Disc2が私的にはイマイチだったのですけど、(薄々気づいてはいたのですが)
それは私が生の舞台を観ていないからなんだろうな、と思いました。
やっぱり生で観ることの迫力や面白さって偉大だわ、と思いましたし
「マクベス」という作品の面白さも改めて感じた1本。
あとはもう一度、公演終盤で観る予定(これが豊洲ラスト!)にしているので
どれだけ進化したか、見届けたいと思っております。