今話題のネットフリックス映画。上映回数が少ないので、タイミングが
難しいのですが、何とか観に行けました。

2人のローマ教皇「2人のローマ教皇」
監督:フェルナンド・メイレレス
出演:アンソニー・ホプキンス、ジョナサン・プライス
【あらすじ】
カトリック教会の方針に不満を抱くベルゴリオ枢機卿は、ベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、スキャンダルに直面して信頼を失っていたベネディクト教皇はそれを受け入れず、ベルゴリオをローマに呼び寄せる。考えのまったく異なる2人だったが、世界に10億人以上の信徒を擁するカトリック教会の未来のため、対話によって理解しあっていく。



最初は全く興味が無かったのですけど、なかなか評判が良くて
アンソニー・ホプキンスも出ているし、観てみようかな・・と。
ローマ教皇が来日された時のフィーバーも記憶に新しいですし。






あらあら、思った以上に面白い作品じゃないの!
もともと宗教には興味が無いし、興味以前に知識も無いので
楽しめるかしらねぇ・・と思っていた自分を恥じたね(笑)。

確かにね、カトリックのプロパガンダ的な側面は否定できないと
醒めて観ていた部分もありますけど、この映画は決して宗教映画ではない。
どちらかと言うと、恥部とも言える事件についても取り上げていて
思い切ったところもあるな、と思います。キリスト教の事を
知らない私でも、カトリックは保守的・・というイメージが
ありますから。

まずは単純にコンクラーベ等の、一般の人間が目にする事のない
場面を知る事が出来るのが面白い。
でも一番面白いのは、新旧二人の教皇の話し合い。
ただの話し合いじゃないんだよね、明らかに主義主張が違う、と
分かっている二人の話し合いなんだから。
宗教家2人の話し合いなんて・・と思っていたんだけど、これが
見応えもあって、本当に面白かった。

最初は枢機卿を辞任しようとするホルヘと、いわば政敵ともいえる程
自分とは主義の違うのに、ホルヘの辞任の希望をシカトしまくり、
全くその意向を聴こうともしない教皇ベネディクト。
それぞれに宗教家であると同時に人としての弱みや過ちがあり
それを打ちあけ、胸襟を開いていく様子がたまらんのです。
やり方によっては、つまらない会話劇にもなりかねない所を
この二人のガチの演技があればこそ、なんですけどね。

私には教皇のあるべき姿とかは分かりませんし、今の教皇フランシスコ
(ホルヘ)がどう評価されている方なのかも知りませんが
単純に反目しあう二人の人間が、会話を通して分かりあう、認め合う・・
というシーンは、いいものです。
来日された時に、かなり質素なお人柄の教皇であるらしい、という
ニュースを拝見したのですが、この作品を観て「なるほどね」と
思ったりもしました。

しかし、教皇ともなると、ちょっとした国王並の生活になるんですね。