2月は仕事が忙しかったのですが、コロナウイルスの関係で
ぽっかり1日空白が出来たので、有給取っちゃった♪

だれもが愛しいチャンピオン「だれもが愛しいチャンピオン」
監督:ハビエル・フェセル
出演:ハビエル・グティエレス ほか
【あらすじ】
バスケットボールのプロリーグでコーチを務めるマルコは、短気な性格が災いして問題を起こし、チームを解雇されてしまう。知的障害者のバスケットボールチーム「アミーゴス」を指導することになった彼は、選手たちの自由すぎる言動に困惑しながらも、彼らの純粋さや情熱、豊かなユーモアに触れて一念発起。全国大会でまさかの快進撃を見せる。≪スペイン制作≫



この作品はフライヤーを見ても、タイトルを聞いても
あまりピンとこないので見送る予定だったのですが、
予告を観たら、何だかおもしろそう・・!
という事で、観にやってまいりました。
 




いやん、めっちゃ面白いじゃないですか。スルーしなくて良かった(笑)。
面白いし、ホッコリするし、ちょっとホロっとするし・・・
何だか免疫力が上がりそうな映画でした(笑)。

まず主役のマルコのクズっぷりが最初に「これでもか」と描かれますが
その後と対比を鮮明にしたい、という事かな、と思います。
負けず嫌い、功名心があって承認欲求もプライドも高い男。
そんな男が飲酒運転の刑罰の代わりに社会奉仕を求められ、知的障害の
ある人のチームのコーチをする事になる。

最初はマルコが「理解不能」だと思っているし、理解しようとも
理解できるとも思っていなかった障害をもつメンバーたちの素性が
分かってくると、マルコも徐々に考えを改めていくようになるんですよね。
でもこれ、マルコを通して自分自身もマルコと同じような考えが
あったな・・と気づかされるところでもあります。
症状も様々だという事、ちゃんと仕事をして自立していること、
きちんと説明すれば理解出来る事が多いこと。
そして、何より彼らはとても誠実に生きている、という事。

試合相手のチームを「ぶっ潰せ」と言うと「ぶっ潰さない。
バスケの試合で勝つだけ」と言い返されて、マルコも私も思わず
ハッとさせられちゃうんですよね。
ああ、歪んだ考え方をしていた私達の方がおかしいのかもしれない、と。
あとはマルコが高齢出産で妊活を躊躇っている所をメンバーに見られ
「自分も自分たちみたいな子供は嫌だ。でもお父さんはコーチみたいな人がいい」
って言うシーンにはジーンときましたよ。

何より一番素敵だったのは、決勝戦で負けた時。
実は試合の最中からファウルがあると「すまなかった」ときちんと
謝れる選手たちだったんだけど、終わると敵味方関係なく抱き合い
はしゃぎ、喜ぶんですよ。「優勝できた!」「準優勝できた!」って。
相手に勝った・負けた・・じゃないんですよね。
「私達、準優勝出来た!すごいでしょ!」って、満面の笑みで。
ああ、本当にこの子達はバスケが好きなんだな、素敵だな・・って。
実際にバスケチームのメンバーは障害を持つ人をオーディションで
選んだそうなんですよ。

コロナウイルスによる公演中止や、学校の休校、それに伴う損失だの、
マスクやトイレットペーパーの買い占めだの・・と、気の滅入るニュースが
溢れている今の時期だからこそ、観て良かったと思える作品でした。