劇団チョコレートケーキ、期間限定の過去作品公開第3弾は「治天ノ君」と
「追憶のアリラン」の2つ。わわわ、劇チョコの代表作です!!
「治天ノ君」は再演と再再演を観に行きましたが、こちらは一度も
観に行けていないので、テンション上がりました!!

追憶のアリラン劇団チョコレートケーキ第25回公演(2015年)
「追憶のアリラン」@東京芸術劇場シアターイースト
作:古川健  演出:日澤雄介
出演:浅井伸治、岡本篤、西尾友樹、佐藤誓、辻親八、大内厚雄、永井若葉、青木柳葉魚、菊池豪、佐瀬弘幸、渡邊りょう
【あらすじ】
1945年8月、朝鮮半島は35年の長きにわたる日本の支配から解放された。喜びに沸く半島で、在朝の日本人は大きな混乱に巻き込まれた。拘束され、裁かれる大日本帝国の公人たち。罪状は「支配の罪」。70年前、彼の地朝鮮半島で何が起こったのか?一人の日本人官僚の目を通して語られる「命の記憶」の物語。



この作品は第23回読売演劇大賞で優秀作品賞を受賞したり
第19回鶴屋南北戯曲賞にノミネートされたりしていたので、名前
だけは知っていましたんですよね。
この頃にはシアターイーストに進出していたんですね。






上演された2015年の年末には「国境(ライン)の向こう)」を観ていて、
やっと劇チョコに興味を持つことになった年です。 
もう少し早く劇チョコに興味を持っていたら、あるいはこの作品の上演が
もう1年遅かったらきっと生で観ていただろうし、きっと忘れがたい
作品になっていたんだろうに・・・と思いました。

セットは2階建てになっていて、それ以外の大道具はないので、見立てで
牢獄になったり、豊川の平壌での家、日本での家、人民裁判が行われた広場・・と
場所や時間を自由自在に変えていくのだけど、全く違和感なし。

観はじめてすぐに引き込まれました。
妻と晩酌をする中での会話で豊川が北朝鮮から戻ってきたこと、大切な人を
そこで亡くした事が語られ、回想シーンで豊川が平壌に赴任してきた所まで
時間が戻りますが、基本的には豊川の回想がベースになった作品です。
平壌で事務官として勤めた朴忠男という現地人との交流、権力を振りかざし
傍若無人にふるまった憲兵が敗戦と共に脱兎のごとく逃げ帰ったことと
現地に残った検事たちと検事たちが裁かれた人民裁判。

あまりこの作品のテーマは得意なほうではないのですが、政治の事を描く
というよりも、国籍や立場を超えた人と人の交流であったり、犯した過ちを
悔いること、信念を持つことの大切さを描いているようにも思えます。

特に最後、あの時逃げ帰った憲兵隊長が豊川のところに、講演の依頼に
来たたのに、キッパリ豊川が断る時の二人の姿がとても象徴的。
背中をピンと伸ばして話す豊川と、背中を丸めて話す元憲兵隊長。
以前と同じ力関係で説き伏せられると思って来たんだろうけど、もう
憲兵隊長の言いなりになる必要もなく、あの時言いなりになってしまった
という悔いのある豊川の「2度と悔いの残る事はしない」という信念の
強さが際立ちます。
作品としては、朴さんやシベリア抑留された2名の行方が分からないまま幕
となるのが、なんとも切なかったですけどね・・。
劇団員3名の皆さんもとてもぴったりな役どころでした。

これはいずれまた上演してくれるといいなぁ。
その時こそは、劇場で観たいと思います。