そのままミリオン座に残って3本目。
「ひとり夏休み映画祭り」のフィナーレでございます(笑)。

ぶあいそうな手紙「ぶあいそうな手紙」
監督:アナ・ルイーザ・アゼベード
出演:ホルヘ・ボラーニ、ガブリエラ・ポエステル、ジュリオ・アンドラーデ
【あらすじ】
ブラジル南部のポルトアレグレに暮らす78歳のエルネスト。隣国ウルグアイからブラジルにやって来て46年になるエルネストは、頑固で融通がきかず、うんちく好きの独居老人だ。老境を迎え、視力をほとんど失ってしまったため大好きな読書もままならなくなってしまった彼のもとに一通の手紙が届く。手紙の差出人はウルグアイ時代の友人の妻だった。手紙が読めないエルネストは、偶然知り合ったブラジル娘のビアに手紙を読んでくれるように頼む。手紙の代読と手紙の代筆のため、ビアがエルネストの部屋に出入りするようになるが……。《ブラジル製作》



この作品、いったん予告で「観てもいいかな」と思ったけど
すっかり忘れており、ミリオン座のTwitterで公開終了を知って
慌てて予定に詰め込んだ、っていう感じです。
ブラジルの映画かぁ、初めてかな・・・?

 


すごく大きな事件がある・・という訳ではないのですが、どこか
ホッコリする映画だったな、と思います。

老いて目が不自由(弱視・・ぐらいかな)ながら、ガンコに一人暮らしを
続ける70代の男性の元に、男友達の奥さんからの手紙が届くのに
目が見えない事と、手書きのスペイン語で書かれていることから、
なかなか代読を頼めず・・と言う状況に飛び込んできた女性、ビア。
そうだったね、ブラジルではポルトガル語が公用語だけど、南米では
スペイン語が公用語になっている国が多かったものね。

この老人、エルネストが可愛いんですよね。
頑固者だけど、ちょっとビアが来るようになってウキウキしちゃったり。
個人的には、なぜ1度会っただけでそこまでビアに惹かれるかしら?
と思いますけどね、1度目には家の鍵を、2度目にはお金を盗んだって
分かったわけだし、何なら自宅にある現金全部を盗まれたわけで、
なぜそこまで信じられるのか・・・。(この段階でかなりの小悪党でしょ)
確かに物おじしないところ、女優(自称)だったので音読が得意
だっていう事もあるあんだろうけどね。

ただ、エルネストがそこまで無防備にビアを信じてあげたからこそ
ビアも心を開いた、という事は言えると思うし、エルネストと
関わったからこそ、彼女の悪縁も切れたっぽい。(とはいえ
彼女が悩んでいた借金って、3000レアルなんだよね・・。
(1レアル19.63円で換算)って、59,000円弱程度なんだけどね)
本来彼女が持っている、いい面(「高額な料理を奢ってやる」と
エルネストにお店に連れていかれても断って、安くておいしい
ハンバーガーのお店に連れて行ったり、差し出された3000レアルを
返したり)が、ちゃんと出てくるようになったかな。

「最後の手紙」のあて先にはちょっと驚いちゃったけど、
文通相手の彼女の元に飛び込む勇気が持てたのは、ビアとの関係の
賜物、っていう感じで、ほんわりした幸せ感漂う作品でした。

しかし・・。
「家賃を来週まで待って欲しい」と言っているから賃貸かと思ったけど
オープニングでは家の内見のシーンだったんだよな。
ブラジルでは、賃貸物件で自分が退去した後の住人を探すのかしら?


いやー、時間が空いたとはいえ、久しぶりに1日に3本観ました。
座りっぱなしという事と、エアコンが効いていて体が冷えてしまい
なかなかキツかった(笑)。
でも、このご時世なのであまりあちこちフラフラするのも望ましく
ないでしょうから、観るなら一気に!って事で。
(映画館の中はむしろ人も少ないし、安全だと思いますからね)
こんな映画のはしご観が出来るようになった、っていうだけでも
ありがたい話ですから。