これはもう、前から結構楽しみにしていた1本だったのです。
ただ、思いのほか上映回数が少なくて、どうしようかな・・
と思っているうちに、東京では緊急事態宣言が出る程になってしまって。
ただ、映画を観るために3連休に名古屋に出てくるよりも、このまま
ガラガラのレイトショーで映画を観て帰った方がいいな・・と思い
仕事帰りの歯医者から、ミリオン座へ。

ザ・プロム「ザ・プロム」
監督:ライアン・マーフィ
出演:メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジョー・エレン・ペルマン
【あらすじ】
ニューヨークの元人気舞台俳優ディーディーとバリーは、新作ミュージカルが失敗し役者生命の危機に立たされる。一方、インディアナ州の田舎町では、恋人同士の女子高生エマとアリッサが、女性カップルでプロムに参加することを禁止され悲嘆に暮れていた。ひょんなことからその事実を知ったディーディーとバリーは、この機会を利用して自分たちのイメージを挽回しようと思いつき、同じくキャリアアップを狙うアンジーらとともに計画を練るが……。《アメリカ製作》




まず何と言っても、メリル・ストリープが好き。
そして、舞台では積極的にミュージカルは観ないくせに
何故かミュージカル映画が好き、という私がこの作品を
見逃すはずもなく(笑)。
いつもはやや上からスクリーンを少し見下ろすぐらいの位置で観る
のが好きなのですが、今回は真ん中より少し前、少し見上げる位の
位置でどっぷり浸ってみましょう、とスタンバイ!






あ〜楽しかった!と思いながら思わず曲を口ずさみながら
映画館を出てしまう感じ。
舞台でも映画でも、帰り道に観た作品の音楽がワンフレーズでも
口ずさめるというのは、ミュージカルとしては優秀だと思っているので
そういう意味では、この作品は「非常に優秀」になります(笑)。

典型的な「ザッツ・ミュージカル!」という作品です。
突然歌いだすし、踊りだすし(笑)、ストーリーも複雑じゃない。
だから、そういうノリが嫌いな人には絶対ダメなんだと思いますが
エンタメを一緒に楽しんじゃえ!という気持ちで観たら、観終わったら
スカッとします。
私は観てないですが、「glee」とかと同じようなノリじゃないかな。
ミュージカル映画なら「ヘアスプレー」が近い感じがします。

私がミュージカル映画が好きな理由の一つが、歌唱力の素晴らしさや
ダンスの素晴らしさなんですが、この作品もここはバッチリ。
そして、この作品にはお休みにはNYへ観劇遠征を趣味にしている
学校の校長先生が出てくるのですが、彼のセリフは観劇Loverなら
「ああ、分かるわ」というものが多くて、ちょっとウフフという気持ち。
(アメリカでも観劇遠征ってあるのね(笑))
「ソンドハイム」が誰かを知っていたり、「シカゴ」のダンスや
役名が分かると(ミュージカル好きならまず知ってると思うけど)
クスっと観られるのも、ポイント高し(笑)。

メリル・ストリープもニコール・キッドマンも素敵だったなぁ。
メリルなんて71歳でしょ、あれだけ踊れて凄いわーって思うし
顔には皺があっても、舞台に立っているシーンではオーラを感じるし
別れた旦那の話をしながら涙ぐむシーンでは、可愛いなぁと思うし
本当に大好き。
そしてニコールもすごい。53歳という事だけど、素晴らしい体形だし
足もバッチリ上がってるし、エマ役の子と並んだ時には「やっぱ違う」
と思わずにいられない雰囲気と迫力で。


ミュージカル映画あるある・・なんだけど、ストーリーは捻りもなく
単純すぎる程なんだけど(ミュージカル映画はそれでいいと思う)、
その中にもホロっとさせるところが散りばめられていて、テンポも
良くて、本当に楽しく観終える事が出来ました。
それにしても「プロム」というのは、残酷な風習だなぁ・・。
17歳とかそれぐらいの頃に「選ばれる」「選ばれない」という審判を
受けなきゃいけないなんてね。「選ばれる」人にとっては青春のいい
思い出だろうけど、自分だったら逃げたくなるかもしれない(笑)。

でも、いい映画はじめだったなぁ。
この作品、舞台化される事は知っていて、チケット取ってなかったのですが
ちょっと観てみたくなっちゃったぞ。
ああ、サントラ欲しいなぁ。でも入荷待ちになっちゃってるなぁ・・。


ちなみにこの作品もNETFLIX製作。
新型コロナウイルスの感染拡大で撮影が一時中断したのだとか。
(今となってはプロムのシーンとか見るだけで、「大丈夫?」と思ったり
「いつ撮影したんだろう」とか「またこんな事出来るようになるのかな」
なんて思う癖がついてしまった)
スクリーンの中にもヒタヒタとコロナウイルスが迫ってくるようです。