相変わらず、それなりのペースで読書は続けていますし、
読んだ本は読書メーターに記録しているので、普段は敢えて
ここでは書かないのですが、久しぶりに「おおっ」と思ったので。

ライオンのおやつ
著:小川糸(ポプラ社)
【あらすじ】
余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことに決めた。そこでは毎週日曜日、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があった―。毎日をもっと大切にしたくなる物語


これは前から興味があった1冊です。
きっかけは昨年、2020年の本屋大賞で2位だったから。
ただ、いつも格安な古本を読んでいる私にとって、新刊は
贅沢なので(あっという間に読み終えちゃうのでねぇ・・)
何となく先送りにしていたのです。

ただ、先日の「DMMブックス」の70%オフキャンペーンで
「ここだ!」と思い、やっと読むことが出来たのでした。






まず、結構なファンタジーでスピリチュアルの作品です。
なので、そういう作品が苦手な人には向かないかもしれないです。
(と、最初に断っておく。)
ただ、私自身もファンタジーとかスピリチュアル系の話は苦手ですが
この作品は素直に読めたかな。

この作品は30台で癌になり、ステージ4でもう手の施しようがなくなった
女性がホスピスで最後を迎える決意をし、ホスピスのあるレモン島に
やって来るところから始まります。
このホスピスでは、自分が「もう一度食べたい」おやつをリクエストすると
毎週1回ある「おやつの時間」に抽選で当たった1つが再現されて、皆に
ふるまわれる・・というシステムがあります。
主人公の雫はなかなか「何をリクエストしたらいいのか」戸惑いつつ、
最後を迎える・・と言うお話ですね。

本の内容からは外れますが、私はもう20年ぐらい前に、習い事で尊敬
していた先生が居ました。
その世界ではそこそこ有名で、コンテストでも賞を獲ったりする方でしたが
乳癌が再発して(以前乳がんだった事は聞いていた)、肺に転移して、もう
どうにもならない状態になっている、という事を聞かされました。
その先生はご自身の強い希望でホスピス入所を希望され手、私もお見舞いに
行った事もあります。
街中のホスピスだったから、この本に出てくるほど自由な感じではなかったけど
やはり病院とは違った、穏やかな時間が流れている印象はありました。

どうしてもこの作品を読むと、その時のことを思い出しちゃいまして。
(ブログのアイコンに使っているグリーンのテディベアは、その先生から頂いたものです)

スピリチュアルな面も多いんですが、「死」と言うものについて、肯定的な
描き方がされているのが新鮮でした。こうやって死んでいけるって
(死後に向けて色々自分で決めて、対応を頼んでおける)すごく助かるし
痛みを取る事に注力して、QOLを上げる事に力を尽くして、残り少ない時間を
過ごさせてくれるって、すごくありがたい事だよね、と思います。

自分もこういう最後だったらいいなぁ・・なんて思ったりしつつ、
残された家族の会話などを読んでいると涙が止まらなくなってしまって。
浦井君のコンサートの開演前の座席で読んでいたのですが、そんな
みんながワクワクしているであろう場所で一人で泣いてる不審者に
なっておりました(笑)。

恐らく私自身だったらこういうタイプの作品は選ばなかったと思うので
「本屋大賞」の受賞作とかは、新たな出会いになりますね。
今年の受賞作もチェックしておかないとな。