さすがにもう、あうるすぽっとにも迷わずに行けるようになったのですが
開演時間を開場時間と勘違いしていて、慌てて池袋駅から向かう・・
という残念な私。それにしても池袋って劇場が増えたよね。
芸劇、ここ、ブリリアホール、サンシャインにシアターグリーン。
気づけばよく来るようになりました。

hedge/insider
serial number06「hedge1-2-3『hedge/insider』」あうるすぽっとC列
12:30開演、15:25終演
作・演出:詩森ろば
出演:原嘉孝、岡田達也、浅野雅博、加藤虎ノ介、今奈良孝行、佐野功
   根津茂尚、酒巻誉洋、藤尾勘太郎、池村匡紀、吉田栄作
【あらすじ】
コンサルティング・ファーム出身の加治と井戸田は、世界有数の投資銀行のカリスマと呼ばれた茂木を誘い、日本初の独立系バイアウト・ファンドを立ち上げる。企業買収ファンドの中には利益だけを吸い上げ、企業を使い捨てにする俗称ハゲタカ・ファンドが存在するが、彼らが立ち上げたファンドは企業をほんとうの意味で自立させ、再生させるという理想を掲げたファンドである。最初の投資先となるのは、不振に喘ぐクレーン製造会社カイト。売る側、買う側、それぞれの思惑を胸に、ひとつの企業の再生をかけた戦いが始まる。



この作品(「hedge」)は風琴工房の頃の映像が観劇三昧で観られたので
会員だった時に観ておりました。映像でも面白いと思っていた作品だし
今注目している原嘉貴君が出演するという事なので、張り切って
やってまいりました。何気に、岡田達也さんも楽しみだったりして。

この作品は以前上演された「hedge」と、その続編があったらしく
(「hedge2 insider」)それが合体した作品になる・・との事。

こういうのを「ビジネスドラマ」って言うんだよなぁ‥と思います。
テレビドラマにもなった「ハゲタカ」に近い(金融を扱っているので尚更)
感じがしますね。非常に私好み(笑)。






2階建て、1階と2階には梯子が掛けられ、上下とも扉が3か所程
ついている・・という木製のセットは、初演と同じように思います。
そして上手には、トランペット&ドラム等の生演奏(2幕はピアノです)

ガヤガヤ・・とキャスト達が登場しますが、カジュアルな服装であり
まだ役に入っている・・という訳では無さそうです。
そして映し出された数字の意味をクイズにするのですが、その中から
現在の市中金利が低い事と、初演の時から更に下がっている事が伝えられ、
上演上の注意が告げられ「開演です」との原君の声に合わせて、一斉に
音楽が流れ、キャスト達が舞台上で生着替え(笑)。
目の前でキャスト全員がパリっとしたスーツ姿に変身です。
(このスーツ、オーダーなんだそうですよ。)

語り始めたのは谷川悠太郎(原嘉孝)。
アメリカの投資ファンドで史上最年少にマネジャーに抜擢され、
MBA取得のために留学中・・・という設定です。
彼の語りで、日本初めてのバイアウトファンドである「マチュリティーパートナーズ」
設立のために、加治(加藤虎之介)が、茂木(吉田栄作)をヘッドハント
し、ファンドが設立される過程が描かれます。

谷川は大学の夏休み期間を利用して、このマチュリティーパートナーズに
インターンとして参加する事になり、舞台はこのバイアウトファンドと
このファンドに再生を託した、株式会社カイトへ移ります。

そして、ちょいちょいストーリーは止まります。
ファンドとは?株とは?バイアウトファンドとは?という説明のため。
映像を観た時にも思ったのですが、これがねぇ・・・。
これらの単語の知識があった方が話が分かりやすい、という事は理解できる。
経済に詳しくない人も居るだろうから、本編に入れたんだろう・・とも
分かってはいますが、どうにもこれがウザくて丁寧すぎて、本編が
ブツブツ途切れちゃって、それでどうしてもイラっとしちゃう。
要りますかねぇ、これ。・・・要るんだろうねぇ・・・。
全体の1/3を過ぎたあたりで「もうこれからは用語説明なし」と言われ、
それ以降はぐわぁ〜っとのめり込みです。

今回一番のお目当てだったのが、谷川を演じた原嘉孝君。
オープニングで靴紐がほどけているのが見えて、オバチャンめっちゃ
気になってしかなかったのだけど、ミーティングのシーンで椅子に座った時
さりげなく結び直していて、ホッとしました(笑)。
今までに拝見したのは、メタルマクベスやリチャード二世、両国花錦闘士
なので、今回初めての「普通の日本人」役です。
うん、若さも感じられるし、腰の低い素直な愛されキャラ・・といった趣。
用語説明は主に原君がしていたので、その時と演じているときでは
違うキャラに演じ分けていらっしゃいましたね。

なぜか突然歌と踊りがあって、原君のダンスはやはりお上手というか、
見せ方を知ってるね・・と思うものの、あれ要りますか・・・?

そして吉田栄作さんが突然暴走し、他のキャストが必死に止める・・
というシーンが序盤にありますが、これ、結構ガチっぽくて、岡田さんなんか
「・・・疲れた・・」ってボソっと言ってたのが聞こえてきちゃいました(笑)。
キャストの皆さん、楽しそうでしたね。

岡田達也さんを拝見するのもめっちゃ久しぶりじゃないかしら。
一時期キャラメルボックスを観ていた時があったんだよねぇ・・(遠い目)。
あの中では唯一、岡田達也さんはまた拝見したいなぁ、と思っていたのですが
私がキャラメルを卒業しちゃったので、なかなか機会が無かったのです。
岡田さんを拝見したいた頃はもう10年以上前じゃないかと思いますが
いい意味で全く変わっていらっしゃらなくて、それが嬉しかったですね。
今回も、色々な役を演じていらっしゃいましたが、熱かったり、切なかったり。
とても良かったと思います。

映像でも観ていましたが、立場を超えて仕事に取り組む姿というのは
いいなあ・・と思いますし、その熱心な思いが状況を変えていくのは
何とも言えないカタルシスがあります。
マチュリティーパートナーズメンバーも個性豊かではあるけれど、
補い合って、いいチームワークだなぁと思います。

2幕は「insider」の部分ですが、ここからは未見です。
証券取引等監視委員会のメンバーに、一人ずつ面談を受けていく・・
というシーンで、インサイダー取引をしたメンバーを割り出していく・・
という流れです。

私がこの作品を観ていても、このメンバーがインサイダー取引をするなんて
全く想像が出来なかったので、誰が犯人なの?ていうか、そもそもここに
本当に犯人がいるの?と思いながら、まさに「見守る」状態。

だから、加治が自白した時も「本当に?本当なの?」ってずっと思ったし
その動機を問われて「金」という回答に、何だか納得がいかないというか・・。
間違いなく、少なからぬ報酬を手にしていたはず。
それでも「金が足りない」って、なかなかイメージ出来ないんですよ。
すごく生活が派手になった、という感じでもないし。
なので、この辺りの心情をもう少し詳しく知りたかったなぁ・・・。

この展開に納得いかなかったというか、状況に理解が追い付かない。
だって、日本の金融、金融の未来について語ってたのは加治じゃない。
その理想を叶えるために、茂木をスカウトしてマチュリティーパートナーズを
設立したんじゃなかったの?
それに追い打ちをかけるあんな最後(出頭前に自宅で自死)なんて!
「ええええ〜っこれで終わりですか・・・・っ!」という、何とも言えぬ
呆然としてしまう幕切れでございました。

非常にスピーディーで、スタイリッシュな舞台です。
場面転換の際には、音楽に乗って、キャストがセットを移動させますが
非常にきびきびと、計算された動きで気持ちいい。
Serial Numberって、規模は小さめだけど、大きな劇場でそのまま上演
できそうな作品が多いなあ、なんて思ったりします。

とりあえず、「trust」の観劇まで数時間。
一休み・・と思い、劇場を後にしたのでした。