この週末は観劇などの予定も全くなくて、気が抜けてしまったのか
仕事の疲れが出てしまったのか、ひたすら寝て過ごし、全くもって
使い物にならなかったのですが、以前録画したこちらをみてみました。

アーモンド「アーモンド」
2022/02/25 (金) 〜 2022/03/13 (日)@シアタートラム
脚本・演出:板垣恭一
出演:長江崚行、眞嶋秀斗、智順、伊藤裕一、佐藤彩香、神農直隆、今井朋彦
【あらすじ】
怪物と呼ばれた少年が、 愛によって生まれ変わるまで――。
感情を司る脳の部位、偏桃体(形状が似ていることから、原作内ではアーモンドと表現される)が人より小さく、怒りや恐怖といった感情をうまく感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。祖母は彼を“かわいい怪物”と呼んだ。母親は感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」などの感情を丸暗記させることで、なんとかユンジェを“普通の子”に見えるようにと訓練してきた。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母親が通り魔に襲われ死傷したときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。事件によって母親は植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちに。そんなとき現れた、もう一人の“怪物”ゴニ。激しい感情をもつその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく―。
 


公演のチラシを見てちょっと気になっていた公演なんですよね。
今遡って確認したところ、主演の子がコロナに罹患してしまった
とかで公演期間が最後の5日間だけになっちゃったんですね。
収録日が公演実施日と重なって良かった。





こちらは韓国の小説の舞台化なんですね。
私が今ほど本を読んでいない頃だったので知らなかったのですが
本屋大賞でも翻訳部門で選ばれたとか。

板垣さんらしい作品だなーというのが第一印象。
音楽の使い方なんかも。
ストーリーが分かりやすいという事もあって、舞台もとても分かりやすい
作品だったと思います。
ただこの作品は役者さんの細かい表情の変化が大切だし、そこが
見ものだったりするので、映像で見られたのも良かったのかも。

そもそも扁桃体が人より小さくて、ここまで感情が無いという人が
実在するのかどうかは分からないのですが、実際にけがで扁桃体に
障害がある方が「恐怖心」を失くなってしまったという症例はあるらしい。

まず見ものだったのが、主役のユンジェを演じた眞嶋秀斗さん。
この方は全く存じ上げない方なのですが、舞台経験は少なくない方
のようです。何となく、EXITの兼近さんを思い出すお顔立ち。
全くの無表情&棒読み(この棒読みは敢えて、だと思う)だったのが
少しずつ変化があり、最後、病院で目覚めた後には大きくは無いけど
明確に表情や話し方の変化があるし、それ以前からも少しずつ変わって
行く過程が、見応えがあります。
(ということは、兼近さんは感情が無さそうというか、笑ってるけど、笑ってないのか?)

そしてユンジェの相手役ゴニを演じた長江崚行さんも初見なんですが
眞嶋さんと似たいようなキャリアの方のようで。
そこそこ舞台を観ているつもりではありますが、まだまだ若手には
私が知らない、注目俳優さんが一杯いらっしゃいますね・・。
で、その長江さんですが、ベビーフェイスと反する暴力性というのが
逆にリアリティがあるし、「分かって欲しい」という気持ちが
溢れているのに口にできないもどかしさが、良く伝わってきました。

そして締めるところを締めているのがベテランの今井さんですよね。
この方も、心に傷を負ったパン屋と裏社会のドンという真逆の役を
演じていらっしゃいました。

なかなか引き込まれて観たのですが、この作品をチョイスするには
難易度高いなあ、存じ上げているのが板垣さんと今井さんぐらいだもん。
だからこそ、映像ででも観られてよかった1本です。

そして、公演情報をチェックしていて気づいたのですが、
チケットの価格設定が素晴らしい。

SS席(センターブロック最前3列)
\11,500
SA席(センターブロック中央)
\10,500
SB席(サイドブロック前方)
\9,000
A席(センターブロック後方)
\9,500
B席(サイドブロック後方)
\8,000
C席(最後方列)
\7,000

シアタートラムなんてそこまで大きくない劇場だし、池袋の某劇場
みたいに観にくい訳じゃないのに、ここまで細かく座席位置によって
価格を変えてくれるって、凄く親切だと思うし、誠実だと思います。
(まあ、ストプレでこのキャストでSS席11,500円って高くないですか?とは思うけど)
運営側は大変だと思いますけど、他の公演も見習ってほしいわ。
某ミュージカルでは手数料が4000円近いとか聞いてぶっ飛んでいた
所だったので、尚更好印象です。