佐々木蔵之介さん狙いでチケットGET。
話の内容とか、全く分からないままですけど。

守銭奴「守銭奴 ザ・マネー・クレイジー」
東京芸術劇場プレイハウス E列
13:00開演、15:00終演
作:モリエール  演出:シルヴィウ・プルカレーテ 
出演:佐々木蔵之介、加治将樹、竹内將人、大西礼芳、天野はな、茂手木桜子、菊池銀河、安東信助、長谷川朝晴、阿南健治、手塚とおる、壤晴彦
【あらすじ】
ドケチなアルパゴンは、召使をはじめ、息子と娘にまで極度の倹約を強要し、家族の我慢も限界に達している。そんなある日、アルパゴンは再婚したいと申し出る。その相手は、実の息子が恋した相手だった!けちんぼ親父とその息子と娘、それぞれの恋人たちとの七転八倒やり取りの際中で、思いがけない秘密が明らかになる。



フライヤーのビジュアルと、「あらすじ」がどうも一致しない
というか、イメージが全くできなくて(笑)。
平日の仕事の疲れが丁度出てきた土曜日。大丈夫か、自分・・・。








プレカレーテの演出作品か、という印象が強くて忘れてしまっていたのですが
原作はモリエール。シェイクスピアよりも60年ぐらい後に生まれているとはいえ
ほぼ同年代なんですよね。そんな古典だったかー、と思いました。

舞台は結構暗い(雰囲気がね)感じ。
左右に3つの部屋に分かれているような感じで、その仕切りはビニールハウスで
使うようなビニールを壁として使っています。
だから、透けて見える部分もあるんだけど、私が下手のかなり端に居たため
3つのうちの一番上手側の部屋で何かをやられると、見えないんですよね。
それがねー、結構なストレスでございました。
ただ、その反面うっすらと見えている感じが、舞台の不穏さを出していて
これはこれでアリなんだろうな、とも思います。

主役のアルパゴンはかなりの高齢者という設定。
パンクでロックなフライヤーとは全くイメージが違って驚いちゃう(笑)。
音楽でいうと、常に不協和音が流れるマイナーな曲調という感じかな。
それは、アルパゴンの娘が吹く、音程が外れたような縦笛の音のせいか、
ビニールで作られたセットのせいか、不思議な白塗りの顔せいなのか・・・は
分からないけれども。

この作品が描かれたのが1668年で、初演がパレ・ロワイヤル。
ちょうどフランスではルイ14世の在位期間と重なるって事は、華やかな
宮廷文化の頃な訳でしょう?
この作品を観てアルパゴンがドケチだと思ったとしても、ある意味では
倹約家でもある訳だからそこまで違和感はないとしても、当時の人達にとって
アルパゴンのこの行動はどう映ったのだろう、という事は興味があるかな。
まあ、現代だとしても倹約する事に対する目的が無いのは、ただ単にケチ
なだけなので、滑稽と言えば滑稽ですけどね。

そして、客席降りのシーンがあるのに驚きましたね。
その時だけマスクしてて(笑)。どう考えてもおかしいんだけど
まあ、このご時世だから仕方ないよねーとは思う。
プレカレーテがどうしても客席降りをやりたかったらしいんだけど、
こういう演出が「普通」だった頃が遠い昔のように感じられるわ。

そしてラストね。
「実は私達、兄弟だったんです」みたいな展開って、シェイクスピアだったり
歌舞伎でよく使われるヤツで、ここで一気に古典感出してきました(笑)ね
凄い力技でハッピーエンドに持って行く感じと、今までの事を全て忘れた
かのようなカーニバル感と、悪者であるアルパゴンがコテンパンに
やっつけられる感じって、古典に共通していると思うんですよね。

蔵之介さんが素晴らしいのは当然として、手塚とおるさんは何でこうも
プレカレーテの舞台に似合ってしまうのだろう、と思わずにはいられない
そんな作品でございました。